【東京・渋谷】カセットテープの聖地タワーレコード渋谷探訪記!レア盤発掘と音楽体験の深淵へ

渋谷の喧騒を抜けて、音楽の聖域へ:タワーレコード渋谷という選択

今日の渋谷での打ち合わせは、心地よい疲労感とともに無事終了。この街に来ると、足が自然と向かう場所がある。そう、タワーレコード渋谷(通称タワレコ)だ。

多くの音楽ファンにとって、ここは単なるレコードショップではない。新たな音楽との出会いを約束してくれる聖域であり、特に近年再評価著しいカセットテープにおいては、その品揃えの豊富さから東京における重要なハブの一つと言えるだろう。まさに「best things to do in Tokyo」の音楽編リストがあるとしたら、必ずや上位に食い込むであろうスポットだ。

以前、C.Eというファッションブランドへの傾倒から中目黒のWaltzという素晴らしいカセットテープ専門店と出会った話はこちらの記事で詳しく書いたが、新宿のタワレコに通い詰めた学生時代から、私にとってタワレコは常に音楽探求の出発点だった。

Waltzが店主の審美眼が光るセレクトショップだとすれば、タワレコ渋谷はメジャーからインディー、新譜から旧譜まで、あらゆるジャンルを網羅する巨大な音楽の図書館のような存在。特に新品カセットテープのセレクションは、Waltzと双璧をなす、いや、物量においては凌駕するかもしれない。

タワーレコード渋谷店の外観
タワーレコード渋谷店の夕方の外観。音楽の聖地は昼夜問わず賑わう。

期待に胸を膨らませ、私はエレベーターで6階へと向かった。

渋谷のランドマークの一つ、タワーレコード渋谷店の外観。いつ来ても新しい発見と興奮がある。

圧巻の品揃え!タワレコ渋谷6階、カセットテープの宇宙

タワレコ渋谷のカセットテープ売り場は6階、Tower Vinyl Shibuyaの入口すぐのエリアに広がっている。フロアの半分近くを占めるスペースには、新品と中古のカセットテープが整然と、そして熱気を帯びて並べられているのだ。

タワーレコード渋谷店 カセットテープ売り場 新品
タワーレコード渋谷店内、東京最大級を誇る新品カセットテープ売り場。壮観な品揃え。

まず目に飛び込んでくるのは、壁一面を埋め尽くすかのような新品カセットテープの棚だ。その光景は壮観の一言に尽きる。まさに東京最大級と言われるだけのことはある、圧巻の品揃えだ。最新リリースのポップスから、時代を超えて愛されるロックの名盤、コアなファンを唸らせるパンク、ヒップホップ/ラップのクラシック、そして繊細な音色が魅力のジャズやJ-POP、さらには映画のサウンドトラックまで、そのジャンルは多岐にわたる。

例えばポップスではテイラー・スウィフトの最新作が、ロックコーナーではリンキン・パークやフー・ファイターズ、デヴィッド・ボウイといったレジェンドたちの作品がカセットテープで手に入る。パンク好きにはBad Brainsの荒々しいサウンドが、ヒップホップファンにはデ・ラ・ソウルのようなクラシックがカセットで待っている。ジャズの棚にはチャット・ベイカーの甘美なトランペットが響き、そしてJ-POPコーナーでは、山下達郎のようなシティポップの巨匠から、銀杏BOYZ、スピッツといった日本の音楽シーンを彩ってきたアーティストたちの作品がずらりと並ぶ。この多様性こそ、タワレコ渋谷 カセットテープコーナーの最大の魅力だろう。

タワーレコード渋谷 カセットテープ Rock Hip Hop Rap 新譜コーナー
タワーレコード渋谷店のカセットテープ売り場にあるRockとHip Hop/Rapの新譜コーナー。
タワーレコード渋谷 カセットテープ JAZZ 新譜コーナー
タワーレコード渋谷店のカセットテープ売り場、Hip Hop/Rapに続くJAZZの新譜コーナー。
タワーレコード渋谷 カセットテープ J-POP 山下達郎 銀杏BOYZ スピッツ
タワーレコード渋谷店のカセットテープJ-POPコーナー。山下達郎、銀杏BOYZ、スピッツなど人気アーティストの作品が並ぶ。

中古カセットテープ:一期一会の宝探し

新品コーナーの隣には、中古カセットテープのセクションが広がる。こちらもABC順にアーティストが並べられており、一見すると整然としているものの、その膨大な量からお目当ての一本を探し出すのは、さながら宝探しのようだ。

タワーレコード渋谷 中古カセットテープコーナー ABC順
タワーレコード渋谷店の中古カセットテープコーナー。ABC順に整理され、掘り出し物探しも。

正直なところ、中古カセットのセレクションや探しやすさという点では、個人的には前述のWaltzに軍配が上がるかもしれない。しかし、タワレコ渋谷の中古コーナーには、思わぬ掘り出し物や、廃盤となったレアな一本が眠っている可能性も否定できない。時間をかけてじっくりと棚を眺めれば、予期せぬ出会いが待っているかもしれないのだ。

本日のミッション:幻のレイジを追え!

この日の私には、明確な目的があった。それは、Waltzで惜しくも売り切れてしまっていたレイジ・アゲインスト・ザ・マシーンのライブカセットの捜索だ。

期待を込めてカセットの棚を探したが、残念ながら見当たらなかった。しかし、諦めるのはまだ早い。同じ6階には広大なアナログレコードの売り場、「Tower Vinyl Shibuya」が広がっているのだ。カセットテープ売り場だけでも十分に訪れる価値があるが、このレコードの品揃えもまた、渋谷 レコードショップの中でも屈指と言えるだろう。

微かな望みを胸に、レイジ・アゲインスト・ザ・マシーンのレコードコーナーへ。すると、どうだろう。レコードストアデイ限定でリリースされ、買いそびれてしまっていたライブ盤のアナログレコードが、そこに鎮座しているではないか!思わず心の中で快哉を叫んだ。これだからタワレコ巡りはやめられない。

Oasisの再集結と、山下達郎「Melodies」との邂逅

幸先の良いスタートに気を良くし、店内をさらに散策する。Oasisのコーナーでは、バンドの再集結を祝う特設展示が設けられていた。世界中のファンが待ち望んだニュースだけに、感慨深いものがある。残念ながら珍しいアイテムは見つけられなかったが、彼らの音楽が持つ普遍的な力を再認識した。

Oasis 再結成記念 特設展示 タワーレコード渋谷
タワーレコード渋谷店に設けられた、Oasisの再結成を祝う特設展示コーナー。

ふと視線を移すと、そこには鮮やかな色彩のポップアップコーナーが。山下達郎さんの名盤「Melodies」のカセットテープ発売を記念した特設ストアだ。Apple Musicなどのサブスクリプションサービスでは一部楽曲しか聴けない山下さんの作品だからこそ、レコードやカセットテープといったフィジカルメディアで所有する喜びは格別だ。

山下達郎 Melodies City Pop up Store タワーレコード渋谷
タワーレコード渋谷店で開催中、山下達郎「Melodies」発売記念のCity Pop Up Store「Melodies」。

「Melodies」のカセットテープを購入すると、何やら特典が付いてくるらしい。そして、その横には見慣れないガチャガチャが。なんと、山下達郎さんのアルバムジャケットをモチーフにしたピンバッジが500円で手に入るという。これは試してみるしかないだろう。期待を込めてハンドルを回すと、「CIRCUS TOWN」のピンバッジが出てきた。本命の「FOR YOU」ではなかったが、これもまた一期一会だ。

山下達郎 Melodies 特設展示 タワーレコード購入特典
山下達郎のアルバム「Melodies」発売記念の特設展示。タワーレコード限定購入特典が一目でわかる。

物欲との静かなる戦い(と、ささやかな断念)

店内を巡っていると、次から次へと魅力的なアイテムが目に飛び込んでくる。ガンダム『水星の魔女』のサウンドトラックは2枚組で8,800円。『ユニコーンガンダム』のサントラも1と2があり、こちらも高嶺の花。YOASOBIの「アイドル」12インチEPも5,000円近くと、なかなかのお値段だ。ケミカル・ブラザーズのレコードも充実のラインナップだったが、やはり価格を見てそっと棚に戻す。

欲しいものは尽きないが、全てを手に入れるわけにはいかない。これもまた、レコードショップ巡りの醍醐味であり、時には必要な自制心なのだと自分に言い聞かせる。

本日の戦利品と、自宅での至福のリスニングタイム

結局、この日の滞在時間は約40分。厳選の末、レイジ・アゲインスト・ザ・マシーンのライブ盤アナログレコード「Live On Tour 1993」と、山下達郎さんの「Melodies」カセットテープを手にレジへと向かった。

自宅に戻り、早速ターンテーブルとカセットデッキにセットする。レイジ・アゲインスト・ザ・マシーンのライブ盤は、バンドが持つ生々しいエネルギーと初期衝動が見事にパッケージングされており、音質も素晴らしい。スタジオアルバムでは味わえない、ライブならではの臨場感と熱気がスピーカーから溢れ出してくるようだ。

そして、山下達郎さんの「Melodies」。カセットテープで聴くこのアルバムはまた格別だ。1曲目の「悲しみのJODY (She Was Crying)」のイントロが流れた瞬間から、その甘く切ない世界観に引き込まれる。B面の「クリスマス・イブ」に至るまで、全く飽きさせない巧みな構成は、まさに職人芸。何度も繰り返し聴きたくなる、珠玉のポップスアルバムだ。「高気圧ガール」の軽快なリズムも、アナログな音質と相まって心地よい。

購入品 レイジ・アゲインスト・ザ・マシーン ライブ盤カセット 山下達郎 Melodies カセット 購入特典
タワーレコード渋谷での購入品:レイジ・アゲインスト・ザ・マシーンのライブ盤、山下達郎「Melodies」のカセットテープ、そして購入特典。

CityNomix流・タワレコ渋谷カセットテープ攻略のヒント

タワレコ渋谷カセットテープを探す際に、いくつか知っておくと役立つポイントがある。実は、カセットテープはタワーレコードの公式サイトでは情報が登録されにくく、発売前の画像確認も難しいことが多い。そのため、店舗の最新情報を得るには、公式のInstagramアカウントをチェックするのが最も早いと私は感じている。カセットテープに関する入荷情報も発信されることがあるので、フォローは必須だ。

ただし、人気のあるカセットは入荷数が少なく、早い者勝ちになるケースがほとんど。以前、The Clashのライブ盤カセットをWaltzで買い逃したものの、後日タワレコ渋谷で運良くゲットできた経験がある。また、Foo Fightersの新譜カセットや、U2の「Songs Of Surrender」の限定カラーカセット(UNIVERSAL MUSIC STORE限定盤のはずが、なぜか1000円ほどで発見!)など、思わぬレアアイテムに出会えることも。だからこそ、こまめなチェックと、見つけた時の決断力が重要になる。

まとめ:なぜタワレコ渋谷はカセットテープファンを惹きつけるのか

タワレコ渋谷は、単にカセットテープを販売している場所ではない。それは、音楽との新たな出会いや再発見を促し、フィジカルメディアを通して音楽を深く味わうという体験そのものを提供してくれる場所なのだ。その膨大なセレクションの中から、自分だけの一本を見つけ出す喜び。そして、手に入れた音楽をじっくりと聴く時間。これら全てが、音楽ファンを惹きつけてやまない魅力なのだろう。

もしあなたがカセットテープに少しでも興味があるなら、あるいは素晴らしい渋谷 レコードショップを探しているなら、ぜひ一度タワーレコード渋谷の6階を訪れてみてほしい。きっと、そこにはあなただけの特別な発見が待っているはずだ。

タワーレコード渋谷店 (Tower Records Shibuya)
公式サイト:https://towershibuya.jp/blog

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