はじめに:Oasisゆかりの聖地、Berwick Streetへ再び
イギリス・ロンドン。ここは、数々の音楽の歴史が刻まれた街です。特にBerwick Streetは、音楽ファンにとって特別な場所ではないでしょうか。なぜなら、あの偉大なロックバンド、Oasisの2ndアルバム『(What’s the story) Morning Glory?』のジャケット写真が撮影された場所だからです。前回は、この通りに店を構える老舗レコード店「Sister Ray」を紹介しましたが、今回はその向かいに位置し、双璧をなす名店「Reckless Records」でのレコードハンティング体験をお届けします。
2024年11月2日、午後3時46分。ロンドンの空は曇り時々雨といった、典型的な英国の天気。しかし、そんな少しばかりの憂鬱さも、目的地のカラフルな外観を目にすると吹き飛んでしまいました。Reckless Recordsは、その名の通り、どこか大胆で自由な雰囲気をまとっています。向かいの「Sister Ray」が持つ重厚な雰囲気とは対照的に、ポップで明るい印象。どちらの店も個性的で、このストリートの音楽文化の多様性を象徴しているかのようです。

店内に足を踏み入れる:新品とレア盤が誘う音楽の迷宮
Reckless Recordsのドアを開けると、まず目に飛び込んできたのは、ジャンル別に整理された新品のレコードの数々でした。まるで音楽の洪水に飛び込むような感覚です。Photomoのテーマである「歩いて、撮って、書く」を胸に、早速探索を開始します。
期待の新作との出会い:Coldplay『Moon Music』
新品レコードのセクションを物色していると、すぐにひとつの発見がありました。それは、訪英のタイミングでちょうどリリースされたばかりのColdplayのニューアルバム『Moon Music』です。「これは絶対に手に入れたい」と思っていた一枚。革新的な音楽性とメッセージ性で常に私たちを魅了するColdplayの最新作を、まさかロンドンで見つけられるとは。旅の記念にもなると思い、迷わずキープしました。

新品の上にはお宝が?レア盤との遭遇
新品レコードが並ぶ棚の上には、さらに貴重なレア盤が展示されていました。まるで博物館の展示品のように、大切に扱われているそれらのレコードは、見ているだけでも心が躍ります。どんな歴史を経てここに辿り着いたのか、想像するだけでワクワクしますね。
中古レコードの海へ:Diggingの醍醐味
新品レコードのセクションは意外とコンパクトで、その奥には広大な中古レコードの山が広がっていました。Reckless Recordsの真骨頂は、この中古の品揃えにあると言えるでしょう。全体の7割以上が中古品で、レコードだけでなく、CDやカセットテープも扱っています。
壁一面の音楽史:レアCDやグッズも
棚には、中古レコードだけでなく、レアなCDやバンドグッズなども所狭しと飾られており、音楽好きならずとも楽しめる空間です。壁一面に広がるジャケットアートは、それ自体が一つのアート作品のよう。一つ一つ丁寧に見て回るだけでも、あっという間に時間が過ぎていきます。これぞ「体験を伝える」Photomoの精神に合致する光景です。
探し求めた一枚:The Stone Roses『One Love』12インチシングル
しばらく中古レコードの波をかき分け、丹念に「Digging(ディグる)」こと数十分。ついに、探し求めていた一枚と出会うことができました。それは、90年代のUKロックシーンを代表するバンド、The Stone Rosesの名曲「One Love」の12インチアナログシングルレコードです。この曲が持つ独特の浮遊感と高揚感は、まさに私の「感覚を伝える」というテーマにぴったり。しかも12インチシングルは45回転。通常のLPよりも回転数が高いため、音質が良いと言われています。溝に刻まれた音の深みが違うのです。ジャケットアートワークも象徴的で、ファンにとってはたまらない逸品でしょう。好きなアーティストの12インチシングルを見つけたら、迷わず手に入れるべきですね。まさに一期一会です。

Reckless Recordsのおすすめポイント
Reckless Recordsの最大の魅力は、やはりその中古レコードの豊富さです。訪れるたびに品揃えが変わるため、何度足を運んでも新しい発見があります。「昨日あったものが今日はない、今日なかったものが明日にはあるかもしれない」という、中古店ならではのスリルと期待感がたまりません。
安心の保管状態と購入システム
また、新品も中古も、レコード本体は売り場に剥き出しで置かれているわけではなく、レジの奥にきれいに保管されています。これは購入者にとって非常に安心できるポイントです。ジャケットだけを見て選び、状態の良いものをレジで受け取れるシステムは、レコードを大切に扱っている証拠と言えるでしょう。さらに、バッグをレジに預ける必要がないのも、気軽に見て回れる嬉しい配慮です。
まとめ:音楽の聖地で感じる、生きたカルチャー
今回のReckless Records訪問は、まさにPhotomoが掲げる「歩いて、撮って、書く」を体現する体験でした。Oasisのジャケット写真で知られるBerwick Streetという象徴的な場所で、Coldplayの最新アルバムやThe Stone Rosesの貴重なシングル盤といった素晴らしい音楽に出会えたことは、CityNomixとしての私にとって大きな喜びです。
この店が持つ、新旧の音楽が混在し、常に新しい発見があるライブ感は、訪れる者を飽きさせません。それは、単に商品を売買する以上の、文化的な交流の場としての役割を果たしているからでしょう。ロンドンを訪れる音楽ファンはもちろん、そうでない方にも、この刺激的な空間をぜひ体験してほしいと思います。私もまた必ず再訪し、新たな音との出会いを求めたい。そう強く感じさせる、魅力に溢れたレコード店でした。
公式サイト:Reckless Records
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