2025年11月10日、午後。ロンドンの曇天を抜け出し、私たちはついにリスボンの地を踏みました。
窓の外に広がるのは、南欧特有の突き抜けるような青い空と、眩しいほどの日差し。機内での優雅な時間、特にブリティッシュ・エアウェイズの機内食と景色を堪能した余韻(詳しい搭乗記はこちら)に浸りながらも、旅人の思考はすでに「次なるミッション」へと切り替わっています。
それは、「いかにしてスムーズに、そして安全にリスボン市内へ移動するか」という問題です。
手元には、ロンドンで取手が壊れたままのスーツケース。バゲージクレームで回ってきた愛機を見た瞬間、安堵のため息が漏れました。なんとか形を保っている。よかった。

しかし、本当の戦いはここからです。リスボンは「7つの丘の街」と呼ばれるほど坂が多く、そして美しくも残酷な「石畳(カルサーダ)」が待ち受けています。スーツケースが2つ。しかもその一つは負傷兵。この状況で地下鉄(メトロ)を選択するのは、到着早々にして修行を始めるようなものです。
かといって、到着ロビーの目の前に並ぶタクシーに飛び乗るのも躊躇われます。過去の経験上、そして多くの旅人の証言通り、リスボンの空港タクシーは残念ながら「観光客価格」をふっかけてくるリスクが極めて高いのです。メーターを回さない、遠回りをする、謎の追加料金…。旅の始まりを不快な交渉で汚したくはありません。
結論は一つ。「Uber」一択です。
料金が事前に確定し、明朗会計。そして言葉の壁を超えて目的地まで運んでくれる現代の魔法の絨毯。しかし、リスボン空港のUber乗り場は、初見殺しの罠と言っても過言ではないほど、少々分かりにくい場所にあります。到着出口を出て、ぼんやりと人の流れについていくと、全く違う場所に出てしまうのです。
今回は、私が実際に歩いて撮影した写真を使いながら、リスボン空港から市内へ向かうためのUber乗り場へのルートを、どこよりも分かりやすく、そしてPhotomoらしい臨場感と共にお届けします。これを読めば、迷うことなく最短ルートでリスボンの街へと繰り出せるはずです。
リスボン空港の到着ロビー:最初の分岐点
預け入れ荷物を受け取り、税関を抜けると、到着ロビー(Arrivals)に出ます。ここで多くの人が、なんとなく正面の出口や、タクシーのマークがある右手へと進んでしまいます。しかし、CityNomixを信じてください。
到着出口を出たら、迷わず「左」へ向かってください。
喧騒の中、左手方向を見ると、スターバックスコーヒーの緑色のロゴが目に入るはずです。それが最初の目印です。そして、視線を少し上げてください。

スターバックスの上にある案内板に注目です。「Uber」や「Bolt」といった配車アプリのロゴがひっそりと、しかし確かに表示されています。ここが、私たちが目指すべきサンクチュアリへの入り口です。
このエリアは独特の開放感があります。高い天井、白い鉄骨、そして行き交う世界中の旅行者たち。ふと見上げると、2階部分が見えます。

おそらくあそこは出発ロビー。ブリティッシュ・エアウェイズなどのチェックインカウンターが並んでいるのでしょう。到着と出発、出会いと別れが交差する空港特有のレイヤー構造を眺めつつ、私たちはひたすら「Uber」のサインを信じて進みます。
ちなみに、この通路には「LISBOA」という文字がガラス面に踊り、到着した実感を高めてくれます。UberやBoltの案内板も、ここまでは親切に設置されています。

しかし、ここからが少し不安になるポイントです。建物の中を進んでいくと、一度外に出るような動線になりますが、まだ「本当の外」ではありません。
運命の「P2駐車場」を目指して
UberやBoltなどのライドシェアサービスは、一般のタクシー乗り場(到着ロビーの目の前)には入れないルールになっています。彼らがピックアップ場所に指定されているのは、「P2駐車場(Parque 2)」と呼ばれるエリアです。
案内板に従って進むと、少し殺風景な出口が見えてきます。黄色い柱に「piso level 2」と書かれた場所です。

この自動ドアを抜けると、そこは駐車場へと続く連絡通路のようなエリア。初めて訪れると「本当にこっちで合っているのか?」と不安になるかもしれません。華やかな免税店エリアとは無縁の、コンクリートと排気ガスの匂いが漂う実用的な空間です。
しかし、恐れることはありません。そのまま道なりに進んでください。スロープを上がり、駐車場の奥へと進んでいく感覚です。
出口を抜けた直後の風景はこのような感じです。

手前の柱の向こう側、屋根のある薄暗いエリア。あそこが「P2駐車場」であり、Uberのピックアップポイントです。たくさんの人がスマートフォンを片手に、キョロキョロしながら車を探している姿が見えるでしょう。そこがゴールです。
Uber配車時のポイントと注意点
P2駐車場に到着したら、アプリを開いて配車をリクエストします。ここでいくつかのCityNomix流のアドバイスを。
1. ピンの位置を確認する
アプリ上で「Lisbon Airport」を選択すると、自動的にピックアップポイントとして「P2 Car Park」等が提案されるはずです。自分が今いる場所とピンが合っているか確認しましょう。
2. 柱の番号を活用する
駐車場は広く、似たような車がひしめき合っています。停車位置には番号やアルファベットが振られていることが多いです。混雑時は、ドライバーにメッセージ機能で「I am near pillar B4(柱B4の近くにいます)」のように具体的な位置を伝えると、出会える確率が格段に上がります。
3. ドライバーとの連携
今回の私のドライバーは非常に親切で手慣れていました。到着するとすぐに電話をくれ、私が伝えた番号の近くに車を停め、なんとわざわざ車を降りて歩いて迎えに来てくれました。「中まで入り込むと出るのが大変だからね」と笑う彼。スーツケースをトランクに積み込み、車に乗り込んだ瞬間、旅の緊張が解けていくのを感じました。
ここからは、検索ニーズの高いキーワードに沿って、リスボン空港からの移動手段についてさらに詳しく解説していきます。Uber以外の選択肢も比較検討したい方のために、公平な視点で情報を整理しました。
リスボン空港から市内電車
リスボン空港には地下鉄(メトロ)の赤線(Linha Vermelha)が直結しており、「Aeroporto」駅から市内へアクセス可能です。最大のメリットはコストパフォーマンス。片道1.80ユーロ程度(Viva Viagemカード代別)で移動できます。
しかし、声を大にして言いたいのは、「大きな荷物があるなら避けるべき」ということです。リスボンの地下鉄はエスカレーターやエレベーターが完備されていない駅も多く、乗り換えが必要な場合、階段での移動を余儀なくされることがあります。さらに、駅からホテルまでの道のりが石畳の坂道だった場合、その移動は苦行と化します。
バックパッカーや荷物が少ない身軽な旅行者にはおすすめですが、スーツケース派は再考の余地ありです。
リスボン空港から市内 Uber
今回私たちが選んだ手段です。メリットは圧倒的です。
・料金の透明性:事前に金額がわかるため、ボッタクリの心配なし。
・快適性:ドア・ツー・ドアでホテルまで移動可能。
・言語の壁なし:アプリで行き先を指定済みなので、会話不要。
空港から市内中心部(ロシオ広場やバイシャ地区)までは、交通状況にもよりますが、通常15ユーロ〜25ユーロ程度です。所要時間は20分〜30分。2人以上で利用すれば、空港バスと変わらないか、むしろ安くなることもあります。今回の移動も20分足らずでホテルに到着。神ドライバーのおかげで、最高のスタートダッシュが切れました。
リスボン 空港から市内 時間
移動時間の目安を整理しておきましょう。
Uber / タクシー: 約20分〜30分(渋滞がない場合)。朝夕のラッシュ時は+15分〜20分を見ておくのが無難です。
地下鉄(メトロ): 約30分〜40分。乗り換えの時間を含めると、意外と時間がかかります。
空港バス(Aerobus): 約40分〜50分。主要ホテルを回るため、時間がかかりがちです(※現在は運行状況が不安定なため、最新情報の確認が必要です)。
「時間は金なり」と言いますが、到着直後の疲れた体にとって、20分でホテルに着けるUberのスピード感は代えがたい価値があります。
リスボン空港から市内 リスボアカード
リスボン観光の必須アイテム「リスボアカード(Lisboa Card)」。これを持っていれば、市内の交通機関が乗り放題になり、多くの美術館や観光スポットが無料または割引になります。
空港の到着ロビーにある観光案内所で引き換え・購入が可能で、その瞬間から地下鉄やバスに乗車できます。もし地下鉄で市内へ向かう予定なら、ここでリスボアカードを入手してスタートするのは賢い選択です。
ただし、Uberやタクシーにはリスボアカードは使えません。 到着日はUberでホテルへ直行し、翌日からリスボアカードを使い始めるというプランも、体力を温存する意味では非常に合理的です。
リスボン市内から空港 早朝
帰国便が早朝の場合、移動手段は深刻な悩みです。
地下鉄の始発は朝6:30頃。これより早いフライトの場合、公共交通機関は頼りになりません。深夜バス(208番など)もありますが、治安や本数の少なさを考えると、旅行者にはハードルが高いでしょう。
ここでもやはりUberが最強の味方です。リスボンでは早朝でもUberが捕まりやすい傾向にありますが、不安な場合はアプリの「予約機能」を使って事前に配車を確定させておくと安心です。早朝の静まり返った石畳を車で駆け抜けるのも、また乙なものです。
リスボン空港から ロシオ駅
リスボンの中心地、ロシオ駅(Rossio)。ここ周辺にホテルを取る旅行者は多いでしょう。
空港から地下鉄で行く場合、赤線で「Alameda」まで行き、緑線(Linha Verde)に乗り換えて「Rossio」下車というルートが一般的です。
文字にすると簡単ですが、Alameda駅での乗り換えは結構歩きます。そしてRossio駅周辺は石畳の宝庫。やはり、ロシオ駅周辺を目指すのであれば、ホテルのエントランスまで横付けしてくれるUberに軍配が上がります。
リスボン空港 ホテル
もし、到着が深夜で市内までの移動が億劫な場合、あるいは翌朝のフライトが極端に早い場合は、空港周辺のホテルに泊まるのも手です。
・Star Inn Lisbon Airport: ターミナルから徒歩圏内で、モダンで快適。
・Meliá Lisboa Aeroporto: 空港のすぐそばにある高級ホテル。
これらのホテルなら、Uberすら不要。徒歩でチェックインし、旅の疲れを即座に癒やすことができます。
リスボン市内から空港 バス
かつては「Aerobus」という便利な空港シャトルバスが頻繁に運行していましたが、パンデミック以降、運行状況が縮小・変更されています。もし運行していれば、大きな荷物置き場もあり便利ですが、本数が減っている場合は待ち時間が長くなるリスクがあります。
市バス(Carris)の744番や783番なども空港に行きますが、これらは市民の足であり、混雑しているときは大きなスーツケースを持って乗り込むのは迷惑がられることも。また、大きな荷物の持ち込み制限がある場合もあります。バスという選択肢は、荷物が少なく、かつ時間に余裕がある旅の上級者向けと言えるでしょう。
まとめ:賢い選択で、最高のリスボン時間を
リスボンは、その光と影、古い街並みと新しいカルチャーが混ざり合う、最高に刺激的な街です。その最初のステップである空港からの移動でつまづかないこと。これが、その後の滞在の質を大きく左右します。
到着ロビーを出たら左へ。スターバックスの上を見て、P2駐車場へ。このルートさえ覚えておけば、あなたのリスボン旅は約束されたようなものです。
Uberの車窓から流れるテージョ川のきらめきや、アズレージョに彩られた建物を眺めながら、「来てよかった」と心から思える瞬間を、ぜひ味わってください。
それでは、良い旅を。Boa viagem!



