【神田まつや本店】帰国後の魂が震える一杯。カレー南蛮と絶品とろろ蕎麦で「日本の出汁」を補給する

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長い海外出張から戻ったとき、身体が猛烈に欲するものは何だろうか。とろけるようなチーズや、肉汁滴るステーキも悪くはない。しかし、成田の到着ロビーに降り立った瞬間、私の脳内を支配していたのは、もっと繊細で、かつ力強い日本の味覚――そう、「出汁(Dashi)」と「醤油」の香りだった。

 

機内食で提供された和食も、悪くはなかった。しかし、それはあくまで「機内食」という記号としての和食であり、私の細胞が渇望しているのは、職人の手によって生み出された、湯気と共に立ち上る本物の香気だ。CityNomixとして世界中のカルチャーをハントする旅は刺激的だが、この瞬間ばかりは、ただの一人の日本人、いや、一人の「蕎麦好き」に戻る。

 

足は自然と神田須田町へと向かっていた。目指すは、東京の蕎麦カルチャーを語る上で欠かせない聖地、神田まつや本店である。

 

時が止まったような空間、神田須田町の奇跡

 

高層ビルが立ち並ぶ東京のど真ん中にありながら、神田須田町の一角だけは、まるでタイムスリップしたかのような空気が流れている。戦災を免れた木造建築が並ぶこのエリアは、単なる観光地ではない。東京という都市の記憶そのものだ。

 

その中心に鎮座するのが、大正14年に建てられた神田まつや本店の建物だ。東京都選定歴史的建造物にも指定されているその佇まいは、威厳がありながらも、どこか懐かしく、訪れる者を優しく包み込むような温かさがある。ガラリと引き戸を開ければ、そこには活気あふれる江戸の粋が広がっている。

 

前回の訪問では、「鴨せいろ」と「なめこそば」という最強のコンビネーションに舌鼓を打った。
(その時の興奮を綴った記事はこちら:神田まつや本店で味わう江戸の粋
しかし今回は、海外帰りの鈍った胃袋と冷えた身体を芯から温め、かつ覚醒させるための特別なメニューを心に決めていた。

 

五感を刺激する黄金の海、「カレー南蛮」の衝撃

 

席に着き、お茶を一口。周囲を見渡せば、昼下がりの少し遅い時間にも関わらず、店内は常連客や蕎麦ファンで満席だ。「いらっしゃい!」という花番さんの小気味良い声が心地よいBGMとなる。

 

迷わず注文したのは、カレー南蛮だ。海外出張中、スパイスの効いた料理には何度も出会った。しかし、日本の「カレー南蛮」は、それらとは似て非なる、独自の進化を遂げたカルチャーだ。カレーのスパイシーさと、鰹節の効いた和風出汁が見事に融合した、世界でも類を見ないスープ料理と言えるだろう。

神田まつや本店の丼に入った、鶏肉と長ネギが乗ったとろみのあるカレー南蛮そば
帰国後の最初の一杯、神田まつや本店の絶品「カレー南蛮」

 

運ばれてきた丼からは、食欲を強烈に刺激する香りが立ち上る。まずはつゆを一口。……これだ。これが必要だったのだ。

 

とろみのついたつゆは、口に含んだ瞬間、カレーの辛さがピリリと舌を刺激する。しかし、その直後に押し寄せるのは、濃厚な出汁の旨味だ。まつや特有の、少し濃いめの江戸前のつゆ(かえし)が、カレーの強さに負けることなく、しっかりと主張している。互いが互いを高め合う、完璧なバランス。

 

具材はシンプルに、大ぶりの鶏肉と長ネギ。鶏肉は噛むほどに旨味が溢れ、熱が入って甘みを増したネギが、スパイシーなつゆの中で絶妙なアクセントとなる。そして主役の蕎麦。熱々のつゆの中にありながらも、そのコシと風味を失わず、とろみのあるスープをたっぷりと絡め取って口の中へと運んでくれる。手打ちならではの喉越しが、旅の疲れを心地よく解きほぐしていくようだ。

 

静と動のコントラスト。噂の絶品「とろろ蕎麦」へ

 

カレー南蛮で身体が温まり、毛穴が開いたところで、もう一品。実は今回、どうしても試したいメニューがあった。SNSで「神田まつやのとろろ蕎麦は飲み物だ」「いや、芸術だ」と、蕎麦通たちが絶賛していたとろろ蕎麦である。

 

濃厚なカレー南蛮からの、さっぱりとしたとろろ蕎麦。この「動」から「静」への展開こそ、食のエンターテインメントだ。

泡立ったとろろ汁で満たされた蕎麦の丼と、薬味のネギとわさび
蕎麦通も絶賛する絶品とろろ蕎麦。きめ細やかな泡立ちが食欲をそそります。

 

目の前に現れたのは、丼一面を覆い尽くす純白の雪原のようなとろろ。きめ細やかに泡立てられたそのビジュアルは、確かに芸術的だ。箸を入れるのを躊躇うほどの美しさだが、意を決して蕎麦を持ち上げる。

 

口に運ぶと、その食感に驚かされた。ふわふわとしたエアリーなとろろが、蕎麦一本一本を優しくコーティングしている。とろろの土の香りと、蕎麦の香りが鼻腔で混ざり合い、強烈な清涼感をもたらす。カレー南蛮の熱気とは対照的な、静謐な旨味の世界だ。

白いクリーミーな泡に覆われ、ネギとワサビがトッピングされたカレーうどん
ワサビを添えてさっぱりといただく、白いムースが特徴的なカレーうどん。

 

ここで薬味のわさびを少し乗せてみる。ツンとした辛味が、まろやかなとろろの風味を引き締め、味わいに奥行きを与える。これぞ、大人の贅沢。噂に違わぬ、いや、噂以上の完成度だ。喉越しの良いまつやの蕎麦だからこそ、このとろろとの一体感が生まれるのだろう。

 

神田まつや本店を深く知るためのガイド

 

ここからは、これから神田まつや本店を訪れようと考えている読者のために、CityNomixがリサーチした情報と実体験を交えて、いくつかのキーワードに沿って解説していこう。これを読めば、あなたも「まつや通」として暖簾をくぐれるはずだ。

 

神田まつや メニュー

 

神田まつやのメニューは多彩だ。今回紹介した「カレー南蛮」や「とろろ蕎麦」の他にも、蕎麦そのものの味をダイレクトに楽しめる「もりそば」、温かい汁に鴨の脂が溶け出した「鴨南ばん」などが定番として人気を博している。また、季節限定のメニューも見逃せない。冬場であれば「ゆず切り」などの変わり蕎麦も風情がある。何より、メニューの端々に「酒の肴」としての料理(焼き鳥、板わさなど)が充実しているのが、古き良き「蕎麦屋酒」の文化を今に伝えている証拠だ。

 

神田まつや 有名人

 

この店は、多くの文人墨客に愛されてきたことでも知られている。特に有名なのが、食通としても知られる作家・池波正太郎氏だ。彼のエッセイには神田まつやが度々登場し、蕎麦屋での粋な過ごし方のお手本として描かれている。現代でも、多くの料理人や芸能人がプライベートで訪れる姿が目撃されており、その味の信頼性は折り紙付きだ。

 

神田まつや 歴史

 

創業は明治17年(1884年)。現在の建物は関東大震災後の大正14年(1925年)に建築されたもので、東京大空襲の戦火をも奇跡的に免れた。木造2階建ての店舗は、当時の建築様式を色濃く残しており、天井の高さや窓の意匠など、細部にわたって歴史の重みを感じることができる。単に古いだけでなく、現在まで大切に磨き上げられ、使い続けられている「生きた文化財」である点に価値がある。

 

神田まつや 本店 アクセス

 

アクセスは非常に便利だ。JR「神田駅」東口から徒歩約5分、地下鉄丸ノ内線「淡路町駅」や都営新宿線「小川町駅」からは徒歩約2分という好立地にある。秋葉原からも徒歩圏内だ。周辺には「かんだやぶそば」や「竹むら」など、歴史的な老舗が点在しており、このエリア全体が食の博物館のような様相を呈している。

 

神田まつや 本店 予約

 

基本的に、神田まつや本店では席の予約を受け付けていない(※平日の一部時間帯やコース料理等、例外がある場合もあるが、一般の蕎麦利用では不可と考えてよい)。「来た順に並び、相席で譲り合って食べる」のがこの店の流儀だ。この公平性こそが、大衆食としての蕎麦の粋なところでもある。誰であろうと、列に並び、同じ空間で肩を寄せ合って蕎麦をすする。そこに垣根はない。

 

神田まつや 行列

 

人気店ゆえに、行列は避けられない。特に土日祝日の昼時や年末(年越し蕎麦の時期)は長蛇の列となる。しかし、回転は意外と早い。花番さん(ホールスタッフ)の手際が素晴らしく、席への案内から提供までが非常にスムーズだからだ。行列に並んでいる間も、建物の外観を眺めたり、漂ってくる出汁の香りを想像したりと、期待を高める時間として楽しんでほしい。平日の15時〜16時頃など、アイドルタイムを狙うのが比較的スムーズに入店できるコツだ。

 

神田まつや 火事

 

「神田まつや 火事」と検索されることがあるが、これは近隣の老舗「かんだやぶそば」が2013年に火災に見舞われたこと(現在は再建)と混同されている場合が多い。神田まつや自体は、先述の通り戦火も免れ、現在も大正時代の貴重な建築を維持している。木造密集地域にあるため、防災への意識は非常に高く保たれている。

 

神田まつや 人気 メニュー

 

初めて訪れるなら、やはり基本の「もり」を味わってほしいが、常連に人気が高いのは今回紹介した「カレー南蛮」や「ごまそば」、そして「親子丼」などの丼ものも隠れたファンが多い。また、酒飲みにとっては「焼き鳥(タレ)」と「日本酒」で始め、締めに「もり」を手繰るのが黄金のルーティンとされている。自分だけのお気に入りを見つけるのも、名店通いの醍醐味だ。

 

まとめ:神田まつや本店は、帰るべき場所

 

久しぶりの日本、久しぶりの神田まつや本店。カレー南蛮の力強さと、とろろ蕎麦の優しさは、旅の疲れを癒やすだけでなく、ここが私のホームであることを再確認させてくれた。

 

単に腹を満たすだけではない。歴史ある空間に身を置き、活気ある空気の中で「蕎麦を食う」という行為そのものが、明日への活力を生む儀式のようなものだ。読者の皆さんも、もし東京で「本物の体験」を求めているなら、ぜひ神田まつやの暖簾をくぐってみてほしい。そこには、変わらない日本の心が待っている。

 公式サイト:http://www.kanda-matsuya.jp/

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