ヘルシンキ旅のハイライト、イッタラ アラビア デザインセンターへ
ヘルシンキの澄んだ青空が広がる朝。昨日はMarimekko本社で過ごした刺激的な時間の余韻に浸りながら、今日は新たな目的地へとトラムに乗り込みました。向かう先は、フィンランドデザインの聖地とも言える「イッタラ アラビア デザインセンター」。私の心は、まだ見ぬヴィンテージ食器との出会いへの期待で高鳴っていました。
なぜ、現行品ではなくヴィンテージなのか。それは、旅の記憶を物理的に持ち帰る際の、私なりの哲学に基づいています。もちろん、現行品の中にも心惹かれるものは数多くあります。しかし、重い陶磁器をいくつもスーツケースに詰めて帰国するのは、あまりにも現実的ではありません。だからこそ、旅先では「そこでしか出会えないもの」に絞る。日本未発売の限定品か、あるいは、時代を超えて受け継がれてきた一点もののヴィンテージ。それが、私のルールです。
特にこのイッタラ アラビア デザインセンターのショップは、ブランド公式でありながら、質の高いヴィンテージ品が集まるという口コミを耳にしていました。その噂が真実かどうかを、自らの足で確かめに行く。それこそが、CityNomixとしての私の旅のスタイルなのです。
トラムが目的地に近づくにつれ、車窓から赤レンガの歴史的な建物が見えてきました。壁面に縦に並んだ「ARABIA」の文字。それは、これから始まる宝探しの舞台への招待状のように、私を静かに迎え入れてくれました。

建物は、フィンランドデザインの歴史そのものを体現しているかのよう。重厚なレンガ造りの外観とは対照的に、一歩足を踏み入れると、ガラス張りの回廊から太陽の光がさんさんと降り注ぎます。新旧が見事に融合した空間は、まるでデザインの過去と未来をつなぐタイムトンネルのようでした。この光の回廊を抜けた先に、どんな出会いが待っているのでしょうか。

イッタラ アラビア デザインセンターで巡る、デザインのタイムトラベル
ショップの入口では、最新のプロダクトが私たちを迎えてくれます。洗練されたディスプレイに並ぶ、涼しげなブルーのガラスウェアやモダンなテーブルウェア。北欧デザインが持つ普遍的な美しさが、そこに凝縮されていました。これらは、現代のライフスタイルを彩るための、考え抜かれたデザインの結晶です。

しかし、私の足は自然と、その奥にある過去のプロダクトを展示するコーナーへと向かいます。そこには、まるで北欧の家庭のワンシーンを切り取ったかのような、温かみのある空間が広がっていました。ベッドトレイに並べられた、黒い線画模様の食器セット。傍らにはフィンランド語の新聞。それは、デザインが単なる「モノ」ではなく、人々の「暮らし」と共にあったことを物語っています。

そして、もちろんアラビアを象徴するシリーズ「パラティッシ」のコーナーも。フィンランド語で「楽園」を意味するこのシリーズは、ビルガー・カイピアイネンが描いた大胆で華やかなデザインが魅力です。定番のカラー版と、モダンなブラックパラティッシが並ぶ様子は圧巻。時代を超えて愛されるデザインの力を、改めて感じずにはいられませんでした。

アラビア工場 限定品:ここでしか手に入らない特別な「アラビア ロゴ マグ」
数ある商品の中で、私が「これは絶対に買う」と心に決めていたものが一つあります。それが、このイッタラ アラビア デザインセンター限定で販売されている「アラビア ロゴ マグ」です。一見すると、様々なロゴがプリントされたシンプルなマグカップ。しかし、これこそがヴィンテージハンターにとっての「ロゼッタストーン」とも言うべき優れものなのです。

このマグカップには、1873年の創業から現代に至るまでの、アラビアの歴代ロゴが年代順にプリントされています。つまり、このマグが一つあれば、手にしたヴィンテージ食器の裏にあるバックスタンプと照らし合わせることで、その品がどの時代に作られたものなのかを瞬時に判別できるのです。これは、単なるお土産を超えた、実用的なツール。日本の店舗では手に入らないこの限定品は、まさに「ヘルシンキ お土産 おしゃれ」の筆頭候補と言えるでしょう。
ヴィンテージの海へ:宝探しはここからが本番
そして、いよいよ本日のメインイベント、ヴィンテージ食器のセクションへ。そこは、まさに宝の山でした。木製の大きなカートや棚には、様々な年代、様々なデザインの食器が所狭しと並べられています。スープポット、ソースボート、見たこともないような形の大皿。その一つ一つが、誰かの食卓で使われ、大切にされてきた物語を秘めているのです。

特に目を引いたのは、新着のヴィンテージ品がまとめられた小さなカート。ここは、訪れたらまず最初にチェックすべき場所です。まだ誰にも選ばれていない、掘り出し物が眠っている可能性が高いからです。私は、まるで探検家のような気分で、一つ一つの食器を手に取り、その手触りや重み、デザインの細部をじっくりと確かめていきました。

品揃えとしては、アラビアのヴィンテージが圧倒的に多く、イッタラのものは少し少なめな印象。しかし、そのどれもが個性的で、見ているだけで時間が経つのを忘れてしまいます。戦後間もない頃に作られたであろう、素朴ながらも力強いデザインのプレート。優雅な曲線を描く70年代のコーヒーカップ。私の買い物カゴは、一目惚れした食器たちでみるみるうちに満たされていきました。

CityNomixがナビゲート!イッタラ アラビア デザインセンター完全攻略ガイド
この素晴らしい体験を、これから訪れる皆さんと共有するために、実用的な情報を整理しておきましょう。読者の皆さんが迷うことなく、最高の宝探しを楽しめるように。
イッタラ アラビア デザインセンターへの行き方と基本情報
まず、「ヘルシンキ イッタラ ファクトリー 行き方」で検索する方も多いでしょう。デザインセンターはヘルシンキ中央駅からトラムを利用するのが最も簡単で便利です。6番または8番のトラムに乗り、「Arabiankatu」で下車すれば、目の前にあの象徴的なレンガの建物が見えます。所要時間は約20分ほど。ヘルシンキの街並みを眺めながらの小旅行気分を味わえます。
イッタラ アラビア デザインセンター 営業時間とリニューアル情報
営業時間は季節によって変動する可能性があるため、訪問前に必ず公式サイトで確認することをおすすめします。私が訪れた2025年7月時点では、平日は午前10時から、週末は時間帯が異なる場合がありました。また、近年「イッタラ アラビア デザインセンター リニューアル」や「イッタラ アラビア デザインセンター 移転」といった情報が囁かれたこともありましたが、現在はこの歴史的なアラビア地区の工場跡地で運営されています。この場所自体が文化遺産のようなものですから、ぜひその空気感を味わってください。
公式サイト: https://www.iittala.com/en-gb/universe/destinations/arabia-museum
Google Mapはこちらです。
ミュージアムとストア、アウトレットの違いについて
この施設は複合的で、「デザインミュージアムアラビア」と「Iittala Arabia Design center store」が併設されています。ミュージアムではアラビアの歴史を深く知ることができ、ストアではショッピングを楽しめます。また、「ヘルシンキ イッタラアウトレット」を探している方もいるかもしれませんが、このストアにはアウトレット品も含まれており、現行品をお得に手に入れるチャンスもあります。しかし、私のイチオシはやはりヴィンテージセクションです。
アラビア マグカップ 年代 見分け方とイッタラ 免税のヒント
先ほど紹介した限定の「アラビア ロゴ マグ」は、「アラビア マグカップ 年代 見分け方」の最強ツールです。ヴィンテージ品を購入する際は、ぜひこのマグを片手に、宝探しの精度を高めてみてください。また、免税についてですが、新品の購入は免税(Tax-Free)の対象となります。パスポートを忘れずに持参し、レジで手続きをしましょう。ただし、一点注意点があります。ヴィンテージ品は中古品扱いとなるため、免税の対象外です。この点は覚えておくと、会計時にスムーズです。
店員さんとの会話も楽しみの一つ。私が訪れた際には日本人のスタッフの方もいらっしゃいました。商品の背景や人気について、積極的に質問してみることを強くおすすめします。私が大きなボウルを手に悩んでいると、現地の店員さんが「それは珍しいわね。良いものを見つけたわ」と笑顔で話しかけてくれました。「私たちは素敵な食器をたくさん見てきたけれど、全部は家に置けないから、あなたのような人が見つけてくれると嬉しいのよ」という言葉が、とても心に残っています。
旅の記憶を食卓へ:CityNomixの戦利品たち
買い物を終え、店内のカフェで一息。レジの背後には、歴代のカップ&ソーサーがアートのように飾られており、壮観です。ソファに腰を下ろし、大きな窓からヘルシンキの夏空と緑を眺める時間は、最高のクールダウンになりました。光に満ちたこの空間で、自分の選んだ食器たちを眺めていると、これからの日常が少し豊かになるような、そんな予感がしました。



さて、私がヘルシンキから連れて帰ってきた宝物たちを少しだけお見せしましょう。
まずは、イッタラ アラビア デザインセンター限定のロゴマグ。これはもう、実用性と記念品としての価値を兼ね備えた、今回の旅の象徴です。

そして、心惹かれたヴィンテージの数々。淡いパステルカラーが愛らしい、幾何学模様のティーセット。これさえあれば、いつものおやつの時間が特別なカフェタイムに変わりそうです。

ずっと探していたサイズの、大きなボウルも手に入れました。サラダを盛ったり、パスタをシェアしたり。食卓の中心で活躍してくれること間違いなしです。

レトロな花柄とアースカラーの色合いに一目惚れしたプレート。どこか懐かしいこのお皿は、煮込み料理などを温かく見せてくれそうです。

シンプルなベージュの縁取りが美しい大皿は、どんな料理も引き立ててくれる名脇役。ワンプレートごはんにも重宝しそうです。

そして、蚤の市で見つけるような人気のクロッカスシリーズのプレートも発見。繊細な線で描かれたモノクロの花模様は、食卓をシックに、そしてモダンに演出してくれます。

まとめ:なぜイッタラ アラビア デザインセンターは訪れるべき場所なのか
ヘルシンキのイッタラ アラビア デザインセンターは、単なるショッピングスポットではありません。それは、フィンランドが世界に誇るデザインの歴史を肌で感じ、その物語の一部を自分の暮らしに持ち帰ることができる、特別な場所でした。現行の美しいプロダクトに触れるだけでなく、時代を超えてきたヴィンテージの中から自分だけの宝物を探し出す体験は、他の何にも代えがたい喜びがあります。
重い食器を持ち帰るという物理的なハードルを越えてでも、手に入れたいと思わせる魅力が、ここにはありました。それは、デザインの美しさだけでなく、その背景にある物語や、作り手、そして使い手たちの想いが宿っているからかもしれません。もしあなたがヘルシンキを訪れるなら、ぜひ少し時間をとって、このデザインの聖地へ足を運んでみてください。きっと、あなたの日常を豊かに彩る、運命の一枚に出会えるはずです。