【ヘルシンキ実食】KappeliのサーモンスープはなぜNo.1なのか?エスプラナーディ公園の宝石で味わう究極のロヒケイット体験記

ヘルシンキの心臓部で出会った、劇場のようなレストラン「Kappeli」

北欧の夏、その短い輝きを全身で享受するかのように、ヘルシンキの街は活気に満ちていました。とりわけ、街の中心を貫くエスプラナーディ公園の緑は目に鮮やかで、人々は芝生に寝転び、オープンカフェで談笑し、思い思いの午後を過ごしています。僕、CityNomixもその一人。デジタルマーケティングという日常から少しだけ距離を置き、カメラ片手にローカルな空気感を掬い上げるように、ゆっくりと歩を進めていました。そんな穏やかな散策の途中、まるで時が止まったかのような壮麗な建物が、僕の足を止めさせたのです。

それが、レストラン「Kappeli(カッペリ)」との出会いでした。

エスプラナーディ公園の緑に映える、歴史的建築の風格

公園の緑豊かな並木道の先に現れたKappeliは、レストランというより、むしろ優雅な劇場か美術館のような佇まい。精巧な彫刻が施されたペディメント、優雅なアーチを描く鉄骨とガラスの構造。1867年からこの場所に立ち、ヘルシンキの芸術家や文化人たちの社交場として愛されてきたという歴史の重みが、その建築の隅々から静かに香り立っているようでした。

青い空と深い緑の木々を背景に、白亜の建物が放つ存在感は圧倒的です。思わずシャッターを切らずにはいられませんでした。ここは、ただ食事をするだけの場所ではない。この空間そのものを体験することに価値があるのだと、直感的に理解したのです。ヘルシンキで訪れたいと思っていたカフェの一つでしたが、その期待は、この外観を目の当たりにした瞬間に、確信へと変わりました。

晴れた日の青空の下、ヘルシンキにあるレストラン「カッペリ」の壮麗な正面玄関。劇場のような古典的な装飾が施された建物で、入口の両脇には緑の木が植えられている。
Kappeliの外観はまるで劇場のようです。

光と緑が織りなす、開放的なカフェ空間

重厚な歴史を感じさせる外観とは裏腹に、Kappeliのカフェスペースに一歩足を踏み入れると、そこには驚くほど開放的な空間が広がっていました。高いドーム状の天井、そこから放射状に伸びる温かみのある木製パネルとシャープな黒い鉄骨。そして、壁一面に広がる大きなガラス窓からは、エスプラナーディ公園の生き生きとした緑と、柔らかな午後の光が惜しみなく降り注いでいます。

ローアングルから見上げた、カフェの高いドーム型の天井。明るい色の木製パネルと黒い鉄骨の梁が放射状に広がり、中央には大きなクリスタルのシャンデリアが吊り下げられている。
カフェの天井はすごく高く開放感があります

まるでヨーロッパの古い駅舎や、植物園の温室に迷い込んだかのよう。中央に吊るされた壮麗なクリスタルのシャンデリアが、クラシックな趣を添えています。この圧倒的な開放感。これこそが、人々がKappeliに惹きつけられる理由の一つなのでしょう。席に着き、まずは一杯のビールを注文しました。

暗い木製のテーブルの上に置かれた、半分ほどビールが残ったグラス。背景には日差しが差し込む開放的なレストランがぼやけて写っている。
開放感のある店内で飲むビールはもちろん最高です。

窓の外の景色を眺めながら、この光あふれる空間で味わう冷たいビールは、まさに至福の一言。旅の疲れがすっと溶けていくような、魔法のような時間でした。この空間でなら、どんな料理も格別に美味しく感じられるに違いありません。そして、僕の目的はただ一つ。この店が誇る、あの料理を味わうことでした。

高いアーチ状の天井と、大きな窓から緑豊かな木々が見えるクラシックなカフェの店内。テーブルと椅子が並べられている。
大きな窓から差し込む光が心地よい、開放感あふれるカフェの午後。
高いアーチ型の木製天井が特徴的な、明るく開放的なカフェの店内。大きな窓から光が差し込んでいる。
古い駅舎や温室を思わせる、光あふれるカフェ空間

Kappeliで味わう、ヘルシンキNo.1のクリーミーサーモンスープ体験

ヘルシンキを旅する者にとって、「サーモンスープ」は避けて通れない食文化の象徴です。フィンランド語で「Lohikeitto(ロヒケイット)」と呼ばれるこの伝統料理は、街の至る所で目にすることができます。しかし、数ある選択肢の中で、僕がKappeliのそれに強く惹かれたのには理由がありました。それは、多くの旅行者や地元の人々から寄せられる、「ここのスープは格別だ」という声でした。

ヘルシンキのレストラン「カッペリ」の店先に置かれた、名物のクリーミーサーモンスープを宣伝する看板。スープのイラストと価格、提供時間が書かれている。
ヘルシンキの老舗レストラン「カッペリ」名物のサーモンスープ

驚きのセルフサービスと、期待を超える「ロヒケイット」

カフェのカウンターで「クリーミーサーモンスープ」を注文すると、スタッフはにこやかに空のスープ皿を渡してくれました。一瞬、戸惑う僕。そう、Kappeliのカフェでは、スープはセルフサービスなのです。カウンターの脇に置かれた大きな保温ポットの蓋を開けると、ふわりと立ち上る湯気と共に、ディルの爽やかで甘い香りが鼻腔をくすぐります。これは、期待が高まる演出です。

金色の額縁に入ったカッペリカフェのメニュー。フィンランド語と英語で「クリーミーサーモンスープ」と書かれ、スープのイラストと16.90ユーロの価格が表示されている。
カッペリカフェ名物のクリーミーサーモンスープの案内。フィンランドの伝統料理です。

自分で好きなだけよそうことができる。このスタイルは、食いしん坊の僕にとっては何とも嬉しい驚きでした。お玉をスープに沈めると、ずっしりとした手応え。これは、ただのスープではない。具が、特に主役であるサーモンが、とんでもない量入っている証拠です。付け合わせのパンも、バスケットから自由に取るスタイル。気取らないこの提供方法が、かえって店の懐の深さを感じさせます。

これが本物のフィンランド料理!ゴロゴロサーモンと濃厚クリームの饗宴

席に戻り、いよいよ実食の時。スプーンですくうと、現れたのは大ぶりのサーモンの塊。まさに「ゴロゴロ」という表現がぴったりのサイズ感です。一口、口に運ぶと、まずクリームの優しいコクと甘みが広がります。しかし、それは決してしつこくありません。ジャガイモのほっくりとした食感と、ディルの清涼感あふれる香りが、スープ全体に軽やかさと奥行きを与えています。

黒いお椀によそわれた、具沢山のクリーミーなサーモンスープ。奥にはパンが置かれている。
ヘルシンキで出会った、個人的No.1のサーモンスープ。

そして主役のサーモン。これが、本当に、驚くほど美味しい。大きいだけでなく、身はふっくらと柔らかく、それでいて驚くほど脂がのっているのです。噛むほどに上質なサーモンの旨味がじゅわっと溢れ出し、濃厚なクリームスープと完璧に調和します。これは、もはやスープの具というレベルではありません。一品料理としてのサーモンを食べているかのような満足感です。

ヘルシンキでは、かの有名な「Cafe Engel」など、他にも美味しいサーモンスープを提供する店はたくさんあります。しかし、僕の個人的な体験では、Kappeliのスープは群を抜いていました。サーモンの質と量、スープの味のバランス、そしてあの素晴らしい空間。すべてが合わさって、忘れられない一皿を創り上げていたのです。これが、僕がヘルシンキで出会った、紛れもないNo.1のサーモンスープです。

スープだけじゃない!Kappeliのおすすめメニューたち

サーモンスープの感動に浸りながらも、僕の食への探求心は尽きません。せっかくなので、フィンランドのカフェ文化を象徴するシナモンロール(シナモンバン)と、軽食にぴったりのトマトとチーズのサンドイッチも注文しました。シナモンロールはスパイスが効いていながらも甘すぎず、コーヒーとの相性も抜群。サンドイッチは、新鮮なトマトとモッツァレラチーズが、カリッとしたパンに挟まれており、素材の良さが際立つ一品でした。

カフェのトレイにのったシナモンロールとカプレーゼサンド、そして水の入ったグラス。
カフェでいただく、甘いシナモンロールと塩気のきいたカプレーゼサンド。

もちろん、どちらも非常に美味しかった。しかし、正直に言えば、サーモンスープの衝撃が強すぎて、少し霞んでしまったほどです。それほどまでに、あのスープは完成されていたのです。他にも、店内には魅力的なカクテルメニューや、オーガニックティーを揃えた豊富な紅茶のセレクションも用意されていました。ランチだけでなく、午後のティータイムやアペロ(食前酒)の時間に訪れるのも、きっと素敵な体験になるでしょう。

 

金色の額縁に入ったカッペリレストランのカクテルメニュー。カウンターの上に置かれている。
ヘルシンキの老舗カフェ「カッペリ」のカクテルメニュー
金色の額縁に入ったレストラン「カッペリ」の紅茶のメニュー。様々な種類の紅茶がフィンランド語と英語で表記されている。
ヘルシンキの老舗カフェ「カッペリ」の豊富なティーセレクション

Kappeli訪問を計画するあなたへ:予約からメニュー、基本情報まで

この素晴らしい体験を、ぜひあなたにも味わってほしい。ここでは、CityNomixが実際に訪れて分かった、Kappeliを最大限に楽しむための実践的な情報をお伝えします。ヘルシンキ旅行の計画に、ぜひ役立ててください。

 

Kappeli Helsinkiへのアクセスと基本情報

Kappeliはヘルシンキ中央駅から徒歩約10分、エスプラナーディ公園の東端、マーケット広場のすぐそばに位置しています。観光の合間に立ち寄るのにも最適なロケーションです。

 

  • 名称: Restaurant Kappeli
  • 住所: Eteläesplanadi 1, 00130 Helsinki, Finland
  • 営業時間: 季節や曜日によって変動するため、訪問前に公式サイトで確認することをおすすめします。一般的にカフェは午前中から、レストランはランチ・ディナータイムに営業しています。
  • 公式サイト: https://www.raflaamo.fi/en/restaurant/helsinki/kappeli/

 

 

Kappeliのメニューと価格帯について

Kappeliはカフェ、レストラン、バーの3つのセクションで構成されており、それぞれメニューや価格帯が異なります。僕が訪れたカフェのクリーミーサーモンスープは€16.90(2025年7月時点)でした。セルフサービスで好きなだけよそえること、そしてあのクオリティを考えれば、十分に価値のある価格だと感じました。レストランでは、より本格的なフィンランド料理のアラカルトやコース料理が楽しめますが、価格帯は上がります。「ヘルシンキ レストラン 安い」というカテゴリーには入りませんが、特別な食事の場としては最適です。

 

Kappeli ヘルシンキでの予約は必要?

ヘルシンキ レストラン 予約事情として、人気店は予約が推奨されます。Kappeliも同様で、特に週末のディナータイムにレストランを利用する場合は、事前の予約が賢明です。公式サイトから簡単にオンライン予約が可能です。一方で、僕が利用したカフェスペースは、予約なしで気軽に立ち寄ることができます。ランチタイムは混み合うこともありますが、席数も多く回転も比較的早いので、少し待てば入れる可能性が高いでしょう。目的や時間帯に合わせて、予約するかどうかを判断するのがおすすめです。

 

ヘルシンキのサーモンスープ事情:StoryやSilvopleeとの比較

ヘルシンキでサーモンスープといえば、カンピ・ショッピングセンター内にある「STORY」も有名です。STORYのスープも評判が高く、よりモダンな雰囲気で楽しめます。また、ベジタリアンレストランとして有名な「Silvoplee(シルヴォプレ)」も、質の高い料理で知られています(現在は閉業の可能性あり、訪問前に要確認)。それぞれに個性がありますが、Kappeliの魅力は、やはり歴史的な建築が醸し出す唯一無二の雰囲気と、伝統的で王道ながらも、素材の良さが際立つサーモンスープの圧倒的な美味しさにあると言えるでしょう。

 

まとめ:なぜKappeliがヘルシンキ旅行で必訪の場所なのか

今回の旅で、僕はKappeliという場所が、単なるレストランやカフェではないことを肌で感じました。それは、ヘルシンキの歴史と文化が息づく、市民の憩いの場であり、訪れる者に特別な時間を与えてくれるステージのような場所です。光あふれる開放的な空間で、街の喧騒を忘れ、ゆったりと過ごす時間。そして、フィンランドの豊かな自然の恵みが凝縮された、心から美味しいと思える一皿との出会い。特に、あのクリーミーサーモンスープは、僕のヘルシンキの記憶に深く刻み込まれました。もしあなたがヘルシンキを訪れるなら、ぜひエスプラナーディ公園を散策し、Kappeliの扉を開けてみてください。そこには、あなたの旅を忘れられないものにする、至福の体験が待っているはずです。

 

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