【体験記】morton’s the steakhouse 丸の内|至高のステーキと忘れられない夜

シカゴ発祥の風格と温かな歓迎が融合する「morton’s the steakhouse 丸の内」へ

ハワイ、アラモアナセンター。多くの旅人が心躍らせるその場所で、いつか訪れたいと密かにリストアップしていたレストランがある。それが『Morton’s The Steakhouse』だ。その老舗の風格と、どこか感じる敷居の高さに、憧れだけが募っていた。

しかし、今日の私は違った。どうしても、本物の美味しいステーキが食べたい。その強い衝動が、記憶の奥にあったその名を呼び覚ましたのだ。「そうだ、morton’s the steakhouse 丸の内へ行こう」。思い立ったが吉日。だが、満席で断られるのは避けたい。逸る気持ちを抑え、私はスマートフォンを手に取った。

東京會舘に佇む、クラシックなエントランスとアクセス

「18時半から、テーブルは空いていますか?」

緊張しながらも電話で尋ねると、幸いにも席は確保できた。次に頭をよぎるのはドレスコードだ。幸い、打ち合わせ帰りできちんとした服装だったが、念のため確認すると「過度な露出やサンダルでなければ大丈夫です」とのこと。これで一安心だ。

目的地は、由緒ある社交場として知られる東京會舘。その名を聞くだけで背筋が伸びる。東京駅からほど近く、あっという間に到着した。

ライトアップされた東京駅丸の内駅舎と、車の光跡が流れる周辺の高層ビル群の夜景。
光が織りなす未来都市、東京・丸の内の夜景。

エレベーターで2階へ上がると、重厚感のあるエントランスが姿を現す。温かみのあるレンガの壁に、夜の闇に浮かび上がる金色のロゴ。発祥の地シカゴの風を感じさせる、シックでクラシックな佇まいだ。この扉の向こうに、どんな体験が待っているのだろうか。期待と少しの緊張を胸に、中へと足を踏み入れた。

夜にライトアップされたMORTON'S THE STEAKHOUSE 丸の内店の、レンガ造りでクラシックかつ高級感のある外観。
MORTON’S THE STEAKHOUSE 丸の内 – アメリカンスタイルの風格が漂うエントランス。

緊張を解きほぐす、予想外のウェルカム体験とドレスコードの実際

ドアの内側には、俳優ジョージ・クルーニーの写真が飾られていた。彼もここを訪れたのだろうか。そんなことを考えていると、受付のスタッフから丁寧な声がかかる。フレンドリーというよりはフォーマルだが、その丁寧さが心地よい。「先ほど電話した者です」と伝えると、「お待ちしておりました」とスムーズに店内へ案内された。

そして、その瞬間、私の緊張は一気に氷解した。通路を進む私に、すれ違うスタッフ全員が体をこちらに向け、笑顔で挨拶をしてくれるのだ。オープンキッチンの横を通り過ぎる際には、自信に満ちた手つきで料理を準備していたシェフたちまでが、一斉に顔を上げ「いらっしゃいませ!」と声を揃える。なんだ、この圧倒的なウェルカム感は。挨拶だけで、この店が素晴らしい場所だと確信できた。

気になるモートンズ ザ ステーキハウス 丸の内のドレスコードだが、スマートカジュアルが基本。私の場合はジャケットなしの襟付きシャツとスラックスだったが、まったく問題なかった。大切なのは、場所への敬意を払った清潔感のある服装だろう。

単なる食事ではない、エンターテイメントとしてのメニュー選びをmorton’s the steakhouse 丸の内で体験

通されたのは、窓際のソファ席。眼下には、ライトアップされた丸の内ブリックスクエアの美しい中庭が広がる。まるでヨーロッパの街角のような景色に、心が躍る。

レストランの窓から見える丸の内ブリックスクエアの中庭。赤レンガの建物と緑の木々が美しい。
窓の外に広がる、丸の内ブリックスクエアの景色

席に着く際も、スタッフがテーブル全体を引いて座りやすいようにエスコートしてくれる。細やかな配慮に、これが世界レベルのサービスなのだと感銘を受けた。ミニマルで洗練された白い食器が、これからの美食体験への期待を静かに高めてくれる。

白いテーブルの上に置かれたミニマルな白い食器のセット。皿の上にはスプーンが入ったボウルが置かれ、その横にフォークとナイフが並んでいる。
シンプルさが美しい、真っ白なテーブルウェア。

ウェイターとの対話で創り上げる、至高のディナーコース

席に着くと、担当のウェイターが静かに、そして丁寧にディナーの案内を始めてくれた。ここからが「Morton’s」の真骨頂。単なる注文取りではない、一種のエンターテイメントが始まるのだ。

まず、驚いたのは実物の肉を見せながらのプレゼンテーションだ。部位ごとの特徴や大きさを具体的に説明してくれるため、メニューブックを眺めるだけでは得られないリアルなイメージが湧く。そして何より素晴らしいのが、「お客様のお腹の具合に合わせて、頼みすぎないように」という徹底した配慮だ。ステーキハウス特有の「高い肉をたくさん頼まなくては」という無言のプレッシャーは、ここには存在しない。

モートンズ おすすめメニューの賢い頼み方

私たちの好みや食べられる量を丁寧にヒアリングしながら、アペタイザー、スープ、サラダ、サイドディッシュの相談会が開催される。例えば、「スープは一番小さいカップサイズがおすすめです」「サラダはハーフサイズにして、さらにそれをシェアしましょうか?」といった具体的な提案をしてくれるのだ。この顧客に寄り添う姿勢こそ、最高のサービスだと感じた。こうして、私たちのための特別なコースが、対話を通じて創り上げられていった。

乾杯の一杯と、危険なほど美味しい名物オニオンブレッド

まずは乾杯。蒸し暑い日だったので、迷わずIPAビールを選んだ。豊かな香りと心地よい苦味が喉を潤し、これからの食事への期待をさらに高めてくれる。ちなみに、モートンズ 丸の内 ドリンク メニューにはノンアルコールの選択肢も豊富で、甘さ控えめが良いといった好みにもアドバイスをくれるそうだ。

木製のテーブルの上に置かれた、泡立つIPAビールが入ったグラス。
まずはビールを。IPAをオーダー。

そして、注文してすぐに運ばれてきたのが、名物のオニオンブレッド。なんと、人の顔ほどもある巨大なパンだ。添えられたホイップバターと共に、「食べ過ぎに注意してください」とウェイターが微笑む。一口食べると、その言葉の意味を痛感する。バターなしでも甘く香ばしく、ビールとの相性も抜群。ホイップバターをつけると、その無限ループに抗うのは至難の業だ。後のメインのために、と固く誓い、私たちはパンから手を離した。

木製のカッティングボードの上に置かれた、スライスされたオニオンブレッドとホイップバター。
危険な美味しさ。オニオンブレッドとホイップバターの誘惑。

前菜からメインまで、期待を上回り続ける morton’s the steakhouse 丸の内の実力

心地よい会話を楽しんでいると、次々と料理が運ばれてくる。その一皿一皿が、私たちの期待を遥かに超えるクオリティだった。

贅沢な逸品ぞろい – クラブケーキと濃厚ロブスタービスク

まず運ばれてきたのはクラブケーキ。料理を運んできたスタッフが笑顔で説明してくれる。「これはワタリガニを贅沢に使っているため、モートンズ ザ ステーキハウス 丸の内 メニューの中でも一番原価率が高いんですよ」。そんな逸話を聞かされれば、期待しないわけにはいかない。一口食べると、カニの凝縮された旨味が口いっぱいに広がる。つなぎをほとんど感じない、身がぎっしり詰まった贅沢な逸品だ。

白い皿に盛り付けられたハーフサイズのクラブケーキ。レモンとソースが添えられている。
ワタリガニを贅沢に使った絶品クラブケーキ

続いて、ロブスタービスク。その濃厚でクリーミーな味わいは、まさに完璧。一口飲むごとに、ロブスターの深いコクと香りが押し寄せる。そして、スープの中にはロブスターの爪の身が丸ごと入っているというサプライズ。見事な火入れで、プリプリの食感も楽しめる。文句のつけようがない、とはこのことだろう。

白いお皿に盛られた、パセリが添えられた濃厚なロブスタービスクスープ。
濃厚な旨味が凝縮された、絶品ロブスタービスク。

名脇役ではない、主役級のチョップドサラダ

美味しい店のサラダは、決まって美味しい。モートンズのチョップドサラダも、その法則を裏切らなかった。シャキシャキのレタス、ゆで卵、ベーコン、トマト、そして特製のブルーチーズドレッシング。それぞれの食感と風味が絶妙に調和している。私たちはハーフサイズをシェアしたので、実質4分の1サイズだったが、それでも十分な満足感があった。

白い皿に盛られたモートンズのチョップドサラダ。ゆで卵、ベーコンビッツ、クリーミーなドレッシングが特徴。
モートンズの名物サラダ。シンプルながらも味わい深い、定番の一品。

遂に迎えるクライマックス、究極のプライムステーキ体験

前菜のレベルの高さに感動していると、いよいよメインディッシュの登場だ。これぞ丸の内 ステーキハウスの真髄。熱々のプレートに乗せられて運ばれてきた二つのステーキは、圧倒的な存在感を放っていた。

まずは「プライムニューヨークマンハッタンステーキ」。ナイフを入れると、その肉々しさが伝わってくる。最上級のプライムビーフならではの濃厚な旨味と肉汁が、噛みしめるたびに溢れ出す。体に活力がみなぎるような、パワフルな美味しさだ。

白い皿の上にスライスされて盛り付けられた、厚切りのプライムニューヨークステーキ。断面はジューシーなミディアムレアで、外側はこんがりと焼かれている。
肉の旨味が凝縮された、プライムニューヨークマンハッタンの極上ステーキ。

そして、「フィレミニョン センターカット」。これは、もはや芸術品だ。驚くほど柔らかく、ナイフが吸い込まれるように入っていく。きめ細やかな肉質と、上品で深い赤身の味わい。これこそが最高のフィレだと、一口で理解した。添えられたサワークリームマッシュポテトも、クリーミーかつ爽やかで、ステーキとの相性は抜群だった。

白い皿に盛り付けられ、断面が美しいピンク色に焼かれたフィレミニョンステーキ。
フィレミニョン センターカット230g。最高に美味しいフィレとはこのこと。
白いボウルに盛られたサワークリームマッシュポテト。刻んだチャイブがトッピングされている。
爽やかでクリーミー。メインディッシュを引き立てるサワークリームマッシュポテト。

記憶に刻まれるデザートと、心温まるホスピタリティ

最高のステーキを堪能し、満腹のはずだった。しかし、Morton’sの夜はまだ終わらない。実は、メインディッシュを待つ間に、ウェイターからある提案を受けていたのだ。

持ち帰りも視野に。賢いデザートのオーダー術

「焼き上がりに時間がかかるデザートがございますが、いかがなさいますか?」

私たちがメニュー選びの際にスフレに興味を示していたことを、彼は覚えていてくれたのだ。肉を調理しているこのタイミングが、スフレを注文するベストタイミングだという。しかし、スフレもチーズケーキも食べたい。そんな我々の欲望を見透かしたかのように、彼は微笑んだ。「ご安心ください。スフレ以外は、食べきれなければお持ち帰りいただけますよ」。なんと素晴らしい提案だろう。私たちは迷わず、両方を注文した。

顔ほどの大きさ!ふわしゅわ食感の絶品スフレ

やがて運ばれてきたスフレは、想像を絶する大きさだった。これもまた、顔ほどある。しかし、心配は無用だった。スプーンを入れると、しゅわっと音を立てるかのように軽く、口に入れると瞬時に溶けていく。この軽やかな食感なら、満腹でも食べられてしまう。添えられたカスタードソースがまた絶品で、明日も食べたいと本気で思うほどだった。

白いお皿にのった、粉砂糖が振りかけられたふわふわのスフレケーキ。
粉砂糖がアクセントの、ふわふわスフレケーキ。
白いお皿に乗った、スプーンで一口すくわれたふわふわのスフレ。奥にはカスタードソースの入ったピッチャーが見える。
とろける食感、黄金色のスフレ

濃厚の極み、ニューヨークチーズケーキ

スフレを完食し、満足感に浸っていると、忘れていたニューヨークチーズケーキがやってきた。これもまた、アメリカンサイズ。一切れが日本の一般的なサイズの倍はありそうだ。濃厚でクリーミーなチーズケーキの上には、キャラメリゼされた焼きバナナが乗っている。一口食べただけで、そのリッチな味わいに幸福感で満たされる。半分は、明日の楽しみとして持ち帰ることにした。

木製のテーブルの上、白い皿に乗せられたニューヨークチーズケーキの一切れ。横にはフォークが添えられている。
思わず頼んでしまったニューヨークチーズケーキ。でも大丈夫、持ち帰りもできるから。

再訪を誓う、morton’s the steakhouse 丸の内での忘れられない夜

会計を済ませ、担当してくれたウェイターに心からの感謝を伝えた。「本当に楽しく、美味しい食事でした。ありがとうございます」。すると彼は、にこやかに自身の名刺を差し出し、「また是非、お越しください」と言ってくれた。

料理の味はもちろんのこと、メニュー選びの楽しさから、食べきれない分への配慮、そしてスタッフ全員の心温まるホスピタリティまで。そのすべてが完璧に調和し、忘れられない一夜を創り出してくれた。憧れだったステーキハウスは、今や「また必ず帰ってきたい場所」へと変わっていた。今度は、モートンズ 丸の内 ランチも体験してみたい。そんなことを考えながら、私たちは満足感に包まれて店を後にした。ご馳走様でした。

店舗情報

morton’s the steakhouse 丸の内
公式サイト: https://mortons-jp.com/index.html
アクセス: 東京都千代田区丸の内3-2-3 丸の内二重橋ビルディング「二重橋スクエア」2階 東京會舘内

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