Stussy Margate完全ガイド｜新品が半額以下！ロンドンから行くべき理由

はじめに：なぜ、ロンドンではなくマーゲートなのか？

Stussyを愛する者がロンドンを訪れたなら、ソーホーにあるチャプターストアに足を運ぶのは、もはや巡礼のようなものだろう。しかし、もしあなたが過去のコレクションに眠る一着や、人とは違う特別なアイテムを探しているなら、その答えはロンドン中心部にはない。目指すべきは、キングス・クロス・セント・パンクラス駅から電車で約90分、ケント州の海辺の街、マーゲート（Margate）だ。

なぜなら、ここには世界でも稀有なStussyのアーカイブストアが存在するからだ。現在のコレクションが並ぶstussy ロンドンの店舗とは一線を画し、過去の名作たちが、驚くべき価格で新たな主を待っている。今回のPhotomoでは、その宝の山「stussy margate」での発見と興奮、そしていくつかの教訓を、詳細な記録として届けたい。

海辺の街に佇む、ミニマルな聖地

ロンドンからの小旅行は、それ自体が心地よい体験だ。車窓からの風景が都会の喧騒から長閑な田園へと移り変わるのを眺めていると、やがて潮の香りが漂ってくる。マーゲートの駅から海岸沿いを歩くこと数分。歴史を感じさせる白い建物の角に、それは静かに佇んでいた。

イギリスのマーゲートにあるStussyの店舗。白い壁の建物の角に、黒いファサードと白いロゴが入った看板が突き出している。 — Stussy Margate店、洗練されたブラックのファサード

マットブラックで統一されたモダンなファサード。大きく取られたアーチ状の窓。白い壁とのコントラストが、ミニマルながらも強烈な存在感を放っている。これこそが、Stussy Margate。期待に胸を膨らせ、重厚なドアに手をかけた。

マットブラックのファサードが特徴的なモダンな店舗の外観。大きなアーチ型の窓には、向かいの通りの建物や空が映り込んでいる。右側には奥まった入口がある。 — マットブラックが印象的なショップのエントランス。

一歩足を踏み入れると、そこは宝の海

店内に足を踏み入れると、温かみのある照明と木の什器が迎えてくれる。まず目に飛び込んできたのは、正面に置かれた小物類のディスプレイだ。人気のコインケースやニット帽、そしてOur Legacyとのコラボトートまで。買い逃していたアイテムがあれば、ここで手に入れるチャンスかもしれない。

セレクトショップの木製テーブルの上に、Stüssyの青いニット帽や黒いトートバッグ、革製のコインケースなどのファッション小物が陳列されている様子。 — StüssyやOur Legacyなど、人気のブランド小物が並ぶディスプレイ。

すぐ左手には、アーチ窓を背景にした美しいディスプレイ。ナイキとのコラボスニーカーが、まるでアートピースのように飾られている。窓の外に広がる海辺の景色と、洗練されたストリートウェア。この時点ですでに、わざわざここまで来た価値があったと確信した。

衣料品店の店内。アーチ型の窓がある壁に、ジャケット、パンツ、帽子、スニーカーなどの商品がワイヤーメッシュに陳列されている。窓の外には海辺の街並みが見える。 — 窓から海が見える店内のディスプレイ。ナイキとのコラボスニーカーも。

「ハロー」。フレンドリーな店員さんに声をかけられる。「写真、撮ってもいいですか？」と尋ねると、快く「もちろん」と笑顔で返してくれた。「サイズがなかったらストックを確認するから、いつでも声をかけてね」。この温かいホスピタリティは、他のスタッフも同様で、心地よく買い物を楽しむことができた。

アーカイブの深淵へ：アイテム探索記

挨拶もそこそこに、本格的な探索を開始する。店内は、さながらStussyの歴史を巡るミュージアムのようだ。しかし、ここの展示品はすべて購入できる。

温かみのある照明で照らされた木製の陳列棚。格子状の各区画に、StüssyのTシャツ、帽子、パーカー、コンバースとのコラボスニーカー、小物などがきれいに並べられている。 — コンバースとのコラボや小物など、充実したアイテムが並ぶディスプレイ。

ブティックの店内で、白い壁に取り付けられたモダンなグレーの棚に様々なサングラスが陳列されている。右側には楕円形の鏡があり、一人の女性が映り込んでいる。 — モダンなディスプレイに並ぶサングラスやアクセサリー。

Stussy Margate店の店内。ライトアップされた木製の陳列棚の4つの区画に、白、黒、紺色のロゴ入りTシャツが綺麗に畳まれて陳列されている。 — Stussy Margate店のTシャツディスプレイ

ライトグリーンのユニークなデザインのハンガーラックに、シャツやパーカー、ジャケットなど様々な色や素材のアーカイブ商品が並んで掛けられている様子。 — 奥には過去のアーカイブ商品がずらりと並んでいます。

セレクトショップの店内で、薄緑色のハンガーラックにレザーやチェック柄など様々な種類のアウターがかけられている様子。 — 個性豊かなアウターが揃うディスプレイ

ストリートウェアブランドの店内で、木製の陳列台にカラフルなスウェットシャツや帽子、トートバッグが並べられている。背景にはハンガーにかかった服や窓が見える。 — フーディーや小物も充実のラインナップ。

店の壁にあるワイヤーメッシュのラックに、様々な色のステューシーのジャケットが2段に分けて掛けられている。 — 圧巻のカラーバリエーション。壁一面にディスプレイされたステューシーのビーチシェル。

淡い緑色の洋服ラックに、色とりどりのジャケットやパンツが掛けられている。窓の外には海辺の街並みが見える。 — こちらもコラボレーションによる洋服ラックです。

円筒形のメタリックなスツールの上に、Our LegacyとStüssyのコラボフーディーが3枚重ねて置かれている。一番上はグレーで、その下には2枚のネイビーのフーディーがある。 — Our LegacyとStüssyのコラボフーディー。ハワイでの戦利品！

アウター、シャツ、そして無数のTシャツ

右手にはダウンジャケットなどのアウターが並ぶユニークなラック。この時はまだ暖かく、試着すらしなかったが、今思えば珠玉の一着が眠っていたかもしれない。これは今回の旅の、小さな後悔の一つだ。

奥へ進むと、過去のアーカイブ商品がずらりと並ぶ。Tシャツはサイズごとに綺麗に整理されており、宝探しのように自分のサイズ（Lサイズだ）の山を掘り進めていく。すると、見つけてしまった。Stüssyのクラシックアイコン「STUSSY N°4」のロゴTシャツ。かの高級ブランドを皮肉った、ストリートならではのパロディ精神が宿る一枚だ。価格は35ポンド。迷わず手に取った。

合板で作られた陳列棚に、ミントグリーンや黒のスウェット、様々な色のTシャツなどがきれいに折り畳まれて並んでいる衣料品店の店内。 — Tシャツの山からお気に入りを探す、宝探しのような時間。

ロンTやジャケットのセクションも充実している。時間が許す限り、一枚一枚じっくりと見て回りたい。ここには、オンラインストアでは決して出会えない、一期一会の発見が満ちている。

店内の衣類ラックに、白、青、オレンジ、緑など様々な色のロングスリーブTシャツが掛けられている。右側には折り畳まれたジーンズやパーカーが置かれた木製の棚がある。 — ロンTはこちらにディスプレイされていました。ここももっと掘ればよかったかなー。

衣料品店の店内。温かみのある照明で照らされた木製の陳列棚に、きれいに折りたたまれたスウェット、Tシャツ、キャップが陳列されている。両脇にはハンガーラックにかけられた衣類が見える。 — 見どころたくさんのディスプレイ。温かみのあるウッドシェルフが素敵です。

圧巻のデニムコレクションとコラボアイテム

そして、店の中心に鎮座するのは、膨大な量のデニムコレクション。今回の旅の目的の一つがStussyのデニムを手に入れることだった。無数のデニムの中から、理想的な色落ちの34インチを探し出す。これは後で試着することにして、キープ。

Stussyの店舗内。木製の陳列棚に様々な色のデニムがきれいに折り畳まれて並べられている。棚の上にはスウェットや帽子も展示されている。 — Stussyの豊富なデニムコレクション。お気に入りの一本がきっと見つかる。

棚の下に目をやると、そこにはさらなるお宝が。ナイキやコンバース、ドクターマーチンとのコラボアイテムが無造作に置かれている。ファンならずとも心躍る光景だ。派手な柄物から落ち着いたデザインのニットまで、Stussyというブランドの幅広さを改めて実感する。

衣料品店の店内。中央にある木製の陳列棚には、折りたたまれた洋服や靴がディスプレイされている。背景には洋服ラックが並んでいる。 — 木の温もりを感じるディスプレイに並ぶ、こだわりのアイテムたち

木のテーブルの上に置かれた、コンバースとのコラボレーションによる黒いハイカットスニーカー一足。白い靴紐とつま先が特徴的。 — コンバースとのコラボによる、クラシックな黒のハイカットスニーカー。

運命の出会いと試着室での決断

一通り店内を物色し、いよいよ試着の時間だ。キープしていたデニムに加え、いくつかの気になるアイテムを抱えて試着室へ向かう。

Stussy版Carhartt？ダブルニーパンツとの衝撃的な出会い

最初に気になったのは、ペインターパンツ。しかし、よく見るとそれはただのペインターパンツではなかった。膝が二重になった「ダブルニー」仕様だ。デニムとブラックの2色。これは試さずにはいられない。

木製の棚の上に、オフホワイト、デニム、ブラックの3色が積み重ねて置かれているStussyのダブルニーパンツ。 — 私が目をつけたStussyのダブルニー。デニムとブラックが気になる。

まず、デニムのダブルニーに足を通す。厚手で重みのある生地が生み出す、絶妙なシルエット。これは想像以上だ。次にブラック。こちらはキャンバス地で、デニムとはまた違うCarharttのようなタフな雰囲気。どちらも甲乙つけがたい。クラシックな白タグも完璧だ。当初の目的だったペインターデニムのことは忘れ、この2本を購入することを心に決めた。

白い布の上に平置きされたStüssyのデニムペインターパンツ。ウエスト部分には茶色いタグがついており、膝の部分は生地が二重になったダブルニー仕様になっている。 — Stüssy ワークギアデニムペインターパンツ

白い布の上に平置きされた、タグ付きの新品の黒いStüssy製ダブルニーワークパンツ。 — Stüssy ワークギアダブルニーパンツ

工業的なハンガーラックに掛けられた2枚のシャツ。左はえんじ色の無地シャツ、右は黒とクリーム色のブロックチェック柄のキルティングシャツ。 — StussyとOur Legacyのコラボレーションシャツ。残念ながらサイズが合わず見送りました。

掘り出した伝説：David Carsonコラボフーディー

試着を終え、購入品をレジで預かってもらい、店内2巡目へ。ふと、誰かがチェックしたのか、ワイヤーバスケットから少しだけ顔を出している派手な柄のフーディーが目に留まった。

ワイヤーバスケットの中に、黄色、グレー、黒、赤など、様々な色のグラフィックフーディーが折りたたまれて積み重なっている様子。 — ショップで見つけたフーディーの山。色もデザインも豊富で迷ってしまう。

手に取ってみると、そのグラフィックに息を呑んだ。強烈なインパクトを放つ、コラージュデザイン。タグには「David Carson」の名が。調べてみると、彼はサーフカルチャー誌『Ray Gun』の伝説的デザイナーで、創業者ショーン・ステューシーとも旧知の仲。このシリーズは2022年から23年にかけてリリースされ、瞬く間に完売したという。まさかこんな場所で出会えるとは。サイズはXLだが、この出会いは運命だ。迷わず購入を決めた。

Stüssyとデヴィッド・カーソンのコラボレーションによる黒いパーカーの背面。青い抽象的なグラフィックの上に、白で大きくStüssyのロゴが描かれ、赤いサーファーのイラストや手書き風のドクロが配置されている。 — 伝説的デザイナー、デヴィッド・カーソンとのコラボフーディー。背面のグラフィックが強烈なインパクトを放つ一枚。

戦利品と、驚愕のプライス

結局、我を忘れて買い物を楽しんでしまった。気づけば両手には大きなショッピングバッグが2つ。マーゲートの街を観光する計画は、嬉しい誤算によって次の機会へと持ち越された。

黄色い革のソファの上に置かれた、購入した服が入っている2つの茶色いショッピングバッグ。 — 結局、たくさん試着してたくさん考えて2袋購入。

さて、気になる戦利品とその価格を公開しよう。

購入アイテム一覧:

Stüssy × David Carson コラボフーディー
8 Ball Corp. Hood（Ash Heather）
ホワイトのフーディー
Stussy Margate 限定 バックプリントロンT
STUSSY N°4 ロゴTシャツ
Workgear Denim Double Knee Pant
Workgear Canvas Double Knee Pant

白いシーツの上に広げられた、Stüssyとデヴィッド・カーソンのコラボレーションによる黒いフーディー。胸には抽象的なコラージュグラフィックがプリントされている。 — Stüssy × デヴィッド・カーソンコラボフーディー

クリーム色の背景に平置きされた、Stüssyのアッシュヘザー色の8ボールコープフーディー。左胸に黒い8ボールのロゴがデザインされている。 — Stüssy 8 Ball Corp. Hood（アッシュヘザー）。胸元のアイコニックな8ボールロゴが特徴。

ライトグレーのフーディーの背面。中央に黒いエイトボールと、その上にゴシック体の白文字で「Stüssy Corp.」と書かれたグラフィックがプリントされている。 — 背面に大きく配置されたアイコニックな8ボールのデザイン。

ベッドの上に広げられた、Stüssyの白いフーディー。胸には青い星と黒いグラフィティロゴがデザインされている。 — 欲しかった白フーディーは、Stüssyの一着を。

黒い長袖Tシャツの背面。中央に白でStussyのロゴと「MARGATE」の文字が大きくプリントされている。 — Stüssyマーゲイト店限定のバックプリントロンT

平置きされた白いStüssyのTシャツ。胸の中央に黒い太字で「STUSSY N°4」というロゴがプリントされている。首元には値段のタグが付いている。 — Stüssyのクラシックアイコン「STUSSY N°4」ロゴTシャツ。

白い布の上に広げられた、Stüssyのブルーデニムペインターパンツの後ろ姿。右のバックポケットにはStüssyのワークギアロゴパッチが付いている。 — Stüssyが手がける、本格ワークウェア仕様のペインターデニム。

Stüssyの黒いワークパンツのバックポケットのクローズアップ。中央にはStüssyのロゴと「AUTHENTIC WORKGEAR」の文字が入ったタグが付いている。 — Stüssy版Carharttのようなタフなワークパンツ

白い背景の上に置かれた3種類のStüssy（ステューシー）のステッカー。上から王冠ロゴ、グラデーションカラーのグラフィティロゴ、赤文字のアーチロゴ。 — おまけに貰えるステッカー。スーツケースに貼るのが私の定番。

これだけ購入して、合計金額はいくらだったか。レシートを見てほしい。

イギリスのステューシー・マーゲート店で購入した商品のレシート。衣料品のリストと合計金額425ポンドが記載されている。 — イギリスのStüssy Margate店での購入レシート。パンツが80ポンド、フーディーが50〜75ポンドと、かなりお買い得でした！

合計、425ポンド。当時のレートで約85,000円。衝撃的なのはその内訳だ。

フーディー: 50〜75ポンド（約10,000円〜15,000円）。日本の定価（約25,000円〜34,000円）の半額以下だ。
ペインターパンツ: 80ポンド（約16,000円）。日本の定価（約34,000円）のこちらも半額以下。
Tシャツ: 35ポンド（約7,000円）。日本より3,000円ほど安い。

過去のコレクション、しかも新品がこの価格で手に入る。これこそが、Stussy Margateを訪れる最大の理由だ。

まとめ：ロンドン旅行で必ず訪れるべき場所

Stussy Margateは、単なるショップではない。ブランドの歴史を体感し、過去の名作と出会える宝箱のような場所だ。日本やアメリカでは即完売したアイテムや、そもそも展開がなかったかもしれないレアな一着に、ここでなら出会える可能性がある。

ロンドンから少し足を延ばすだけで、これほどの体験ができる。もしあなたがStussyを愛し、特別な一着を探しているのなら、次のロンドン旅行の際には、ぜひマーゲートへの日帰り旅行を計画してみてほしい。ただし、スーツケースの空きスペースには十分注意が必要だ。私のように、嬉しい悲鳴を上げることになるだろうから。

店舗情報

Stussy Margate

公式サイト: https://uk.stussy.com/

Google Map:

Stussy Margate完全ガイド｜アーカイブ品が半額以下？ロンドンから行く価値ある宝の山

はじめに：なぜ、ロンドンではなくマーゲートなのか？