ヘルシンキのサウナ部屋付きホテル決定版!ラップランドホテルズ・ブレヴァルディ宿泊記で究極の癒やしを

ヘルシンキで理想の滞在を叶える、サウナ部屋付きホテルという選択

ヘルシンキへの旅が決まった時、私の頭の中はひとつの想いで満たされていた。それは、この街の魂とも言える「サウナ」を心ゆくまで体験すること。しかし、ただ体験するだけでは物足りない。デジタルマーケターとして情報を整理し、旅人としてリアルな感覚を求める私、CityNomixが導き出した答えは、誰にも邪魔されないプライベートな空間で、自分だけのサウナと向き合う時間を持つことだった。つまり、ヘルシンキのホテルで、部屋付きのサウナを見つけること。これが今回の旅の最重要ミッションとなった。

サウナ発祥の地、フィンランドの首都なのだから、部屋付きサウナのあるホテルはすぐに見つかるだろう。そんな甘い期待は、検索を開始してすぐに打ち砕かれた。意外にも、その選択肢は多くない。候補はすぐに2つに絞られた。ひとつは、洗練されたデザインと抜群の評判を誇る「Hotel St. George Helsinki」。もうひとつは、どこか神秘的な響きを持つ「Lapland Hotels Bulevardi」だ。

正直に言えば、心は大きくSt. Georgeに傾いていた。ネット上には賞賛の声が溢れ、そのクオリティは保証されているようなものだ。一方で、Lapland Hotels Bulevardiに関する日本語の情報は驚くほど少ない。公式サイトと予約サイトの情報だけが頼りだ。しかし、私の心を捉えて離さなかったのは、その名が示す「ラップランド」の世界観と、プライベートサウナへのこだわりだった。サウナを堪能し、火照った体を冷やすための大きなバスタブも必須条件。これを満たすのは、スイート以上のグレードになるようだ。私は意を決し、未知の体験に賭けることにした。Hotels.comのリワーズを使い、少しお得にスイートを予約。これで完璧なはずだった。

しかし、旅には予期せぬドラマがつきものだ。出発直前、Finnairのストライキ問題が浮上。フライトがJAL便に変更となり、結果的にヘルシンキでの滞在が1日増えることになった。(この経緯は「JALビジネスの食事は至高の体験!ヘルシンキ路線で味わう絶品機内食とアラカルトメニュー完全ガイド」で詳しく語っている)。この追加の一泊で、私は迷っていたHotel St. George Helsinkiに滞在することにしたのだ。結果として、2つのホテルを比較できるまたとない機会を得た。しかし、同時に新たな不安も生まれた。評判通りの素晴らしいホテルだったSt. Georgeの後で、情報の少ないLapland Hotels Bulevardiに泊まって、果たして後悔しないだろうか…。そんな一抹の不安を抱えながら、私は石畳の道をスーツケースと共に歩き始めた。

Lapland Hotels Bulevardi:都会の中心で出会う、北極圏の静寂を宿したサウナ部屋付きホテル

Hotel St. GeorgeからLapland Hotels Bulevardiまでは、徒歩でわずか10分ほど。しかし、ヨーロッパ特有の石畳は、複数のスーツケースを引きずる旅人にとっては試練の道だ。ようやくたどり着いたホテルの前で、私は息を整えながらそのファサードを見上げた。

ラップランドの自然が薫る、洗練されたエントランス

晴れた日に見上げたラップランドホテルズ・ブレヴァルディのエントランス。木目調の天井を持つひさしの上に白い文字でホテルの名前が書かれており、緑の葉が揺れている。
Lapland Hotels Bulevardiの外観。自然の温もりが感じられるオシャレな外観に期待せずにはいられない。

モダンな建物に、温かみのある木材がアクセントとして使われている。それはまるで、都会の中に現れた小さな森の入り口のよう。ガラスに映る街路樹の緑が、その印象をさらに強くする。「ラップランド」の名に違わぬ、自然との調和を感じさせるデザインだ。期待に胸を膨らませ、一歩中へ足を踏み入れると、そこにはさらに深く、静謐な世界が広がっていた。ロビーはラップランドの自然を彷彿とさせる落ち着いた雰囲気で、併設されたバーもまた、旅の疲れを優しく包み込んでくれそうな空間だ。

フロントでは、スタッフが満面の笑みで迎えてくれた。フィンランドの人々は、まっすぐに目を見て、心からの笑顔で挨拶してくれる。その温かさが、長旅の緊張を解きほぐしていく。幸いにも部屋の準備はすでに整っており、すぐに案内してもらえることになった。

期待を遥かに超えた、プライベートサウナ付きスイートの全貌

エレベーターを降り、部屋のドアを開けた瞬間、私は思わず息をのんだ。不安など、一瞬で消し飛んでしまった。スイートというだけあって、その広さは圧倒的だ。まず驚いたのは、玄関で外靴とスリッパの領域が明確に分かれていること。日本の文化にも通じるこの心遣いに、まず好感を持った。

柔らかな照明が照らすホテルのリビングルーム。グレーの模様入りソファ、ベージュのアームチェアとオットマン、2つの丸いコーヒーテーブル、壁掛けテレビが配置されている。
玄関を入ってすぐの快適なリビングエリア。サウナ後のクールダウンに最適な空間です。

リビングエリアは、大小5つのスーツケースを余裕で広げられるほどの広さ。大きなソファに身を沈めれば、すぐにでもリラックスモードに切り替わる。ナチュラルな色調でまとめられたインテリアは、心地よく目に馴染む。

ナチュラルな色調で統一された広々としたホテルの客室。奥にベッド、手前にソファとラウンジチェアが配置されている。
部屋の内観はこんな感じ。スーツケースがたくさんあっても広げる場所は十分にある。

そして、ベッドルームへ。大きなベッドの向こうに、ガラス張りのバスルームが見える。ウェブサイトで見てはいたが、実物の開放感は格別だ。このユニークなデザインが、非日常的な空間を演出している。もちろん、プライバシーが欲しい時にはカーテンを引くこともできる。

ホテルの寝室から見たガラス張りのバスルーム。モダンな白いバスタブと、奥にはサウナが見える。
ベッド側からバスルームを見るとこんな感じ。カーテンでも仕切れますね。

さらに細部を見ていくと、その使い勝手の良さにも感心させられる。洗面台は2つあり、朝の忙しい時間でもパートナーと気兼ねなく準備ができる。トイレが独立しているのも嬉しいポイントだ。

ホテルのスイートルームにある、2つの洗面ボウルが設置されたモダンな洗面化粧台。大きな鏡と、奥に見えるバスタブが特徴的。
スイートなので洗面台も2つあって便利でした。

そして、ついにこの部屋の主役、プライベートサウナと対面する。シャワールームの奥に鎮座するその姿は、息をのむほどに美しかった。新しく、清潔で、木の香りが漂ってきそうだ。隣には、水風呂として使うための巨大なバスタブ。これは、私がヘルシンキに求めていたすべてだった。St. Georgeへの未練など、もはやどこにもない。この選択は、間違いなく正解だった。私は確信した。

ヘルシンキのホテルで体験する、本格ロウリュ付きプライベートサウナの悦び

市内の散策を終え、期待に胸を膨らませながらホテルへ戻る。部屋に入るやいなや、私は真っ直ぐサウナのコントロールパネルへと向かった。フロントで使い方を教わっていた通り、ボタンをひとつ押すだけ。約1時間で準備が整うという。その待ち時間すら、これから始まる至福の時への序曲のように感じられた。

最新式のプライベートサウナで、自分だけの「ととのう」時間を

1時間ほど経ち、室温が70度を超えたのを確認して、いよいよサウナ室の扉を開ける。木の香りがふわりと鼻をくすぐる。中は2人が余裕で座れる広さで、どこもかしこも清潔そのものだ。

モダンなバスルーム。ガラス張りのシャワーブースの隣に木製の壁のサウナがあり、手前には白い独立型のバスタブが置かれている。
シャワーの隣には最新式のサウナが。清潔感あふれる空間で、最高の癒やしを。

ベンチに腰を下ろし、深く息を吸う。じんわりと汗が滲み出てくる感覚。日本のお風呂文化で育った私にとって、体を温めて疲れを癒やすという行為は、DNAに刻まれた心地よさだ。サウナもまた、その原理は同じ。ただそこにいるだけで、心と体がほどけていく。

明るい木材で作られたモダンな家庭用サウナの内部。2段のベンチ、サウナストーブ、ロウリュ用の桶と柄杓が置かれている。
清潔でモダンな家庭用サウナ

 

そして、お待ちかねのロウリュ。桶から柄杓で水をすくい、熱されたサウナストーンに静かにかける。「ジュワ〜…」という心地よい音と共に、熱い蒸気が立ち上る。一拍遅れて、その蒸気の波が全身を包み込む。ただ熱いだけではない。蒸気の中に、微かにハーブのような爽やかな香りが混じっている。この香りが、リラックス効果を何倍にも高めてくれるのだ。この音、この熱、この香り。すべてが病みつきになる。私は夢中でロウリュを繰り返した。

実は、私はサウナ初心者だ。だからこそ、いきなり本場の公共サウナに飛び込むことには少し抵抗があった。作法も分からないし、周りの目が気になるかもしれない。しかし、この部屋付きサウナなら、そんな心配は一切無用。自分のペースで、心ゆくまでサウナと向き合える。これ以上の贅沢があるだろうか。

サウナと巨大バスタブの水風呂が織りなす、幸福のスパイラル

体が芯から温まったところで、サウナ室を出て隣のバスタブへ。水をたっぷりと張り、火照った体を沈める。思わず「はぁ〜」と声が漏れる。この瞬間が、たまらなく気持ちいい。国連の調査でフィンランドが8年連続「幸福度ランキング1位」に輝いている理由の一端は、間違いなくこのサウナ文化にあるだろう。そう思わずにはいられないほどの多幸感だ。

バスルームの大きな白いバスタブと、ガラスの壁越しに見えるモダンなホテルのベッドルーム。ベッドのヘッドボードの上には鹿の角の飾りが付いている。
バスタブからベッドルームを眺める、開放感あふれるホテルの客室。

ガラス越しにベッドルームを眺めながら、この開放的な空間で心身がリセットされていくのを感じる。サウナと水風呂を3セットほど繰り返し、シャワーで汗を流す。体はポカポカで、血の巡りが良くなっているのが分かる。

ベージュのタイル張りのモダンなバスルーム。手前に白い置き型のバスタブがあり、ガラスの壁の向こうにシャワーと木製のプライベートサウナが見える。
サウナとバスルームが一体となった、開放感あふれる癒やしの空間。

 

バスローブを羽織ってリビングのソファに戻り、冷蔵庫で冷やしておいたビールをグラスに注ぐ。「プハーッ」。この一杯のために、今日一日があったと言っても過言ではない。まさに至福の時間だ。

 

予約前に知っておきたい、唯一の後悔とアドバイス

この完璧な体験の中で、たったひとつだけ後悔したことがある。それは、ベランダ付きの部屋を選ばなかったことだ。私が訪れた時期、ヘルシンキは1961年の観測史上最大とも言われる記録的な熱波に見舞われていた。フィンランドの建物は熱を蓄える断熱性には優れているが、冷房機能はそれほど強くないことが多い。サウナで温まった体を、外気でクールダウンさせる「外気浴」もまた、サウナの醍醐味のひとつ。もしベランダがあれば、この熱波の夜でも、最高の「ととのい」が得られたかもしれない。次に泊まる時は、必ずベランダ付きの部屋を予約しようと心に誓った。

これから予約する方には、サウナとバスタブ、そして最高のクールダウンを求めるなら、ベランダ付きのスイートルームを強くおすすめしたい。

まとめ:ヘルシンキで最高のサウナ体験を求めるなら、この部屋付きホテルで決まり

結局、私は滞在中、毎日のようにこのプライベートサウナを楽しんだ。最終日の朝でさえ、フライト前に一汗流すほど、すっかりその魅力に取り憑かれてしまった。情報が少ないことへの不安から始まったLapland Hotels Bulevardiでの滞在は、私のヘルシンキ旅行を忘れられないものにしてくれた。

その理由は、素晴らしいサウナだけではない。後日別の記事で詳しくレポートするが、驚くほど美味しかった朝食(特にパンとビーガンメニュー!)、そして朝食会場のスタッフの心温まるホスピタリティ。これらすべてが合わさって、私の中で「再訪確定」のホテルとなった。この記事を書いている今も、あのサウナの蒸気と、焼きたてのパンの香りが蘇ってくる。もしあなたが、ヘルシンキのホテルで、誰にも邪魔されない最高のサウナ部屋付き体験を求めているなら、迷わずここを選ぶべきだと断言できる。

Lapland Hotels Bulevardiへのアクセスと予約情報

ヘルシンキの中心部に位置し、観光にも便利な立地です。予約は公式サイトや各種予約サイトから可能です。

公式サイト: https://www.laplandhotels.com/fi/hotellit-ja-kohteet/helsinki/lapland-hotels-bulevardi

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