ロンドンの鼓動を感じる、Dover Street Market London体験記。コムデギャルソンが織りなす空間とストリートファッションの邂逅

ロンドンに降り立ったら、まず目指すべき場所

CityNomixの皆さん、こんにちは。デジタルマーケティングの世界に身を置きつつ、国内外の街を歩き、ローカルな視点でカルチャーを掬い上げているCityNomixです。Photomoでは、「歩いて、撮って、書く」をテーマに、世界の街角で見つけた刺激的な体験を、雑誌のようなモノトーンの世界観でお届けしています。

さて、今回の舞台はロンドン。この街を訪れたなら、ファッション好き、特にストリートファッションを愛する者として、絶対に素通りできない場所があります。それが、Dover Street Market London(ドーバーストリートマーケット・ロンドン、以下DSM London)です。

ドーバーストリートマーケットロンドンの白い歴史的建造物の外観、大きな窓とアーチ型の入り口が見える。
ロンドンのドーバーストリートマーケット。かつてバーバリーの本社だった歴史ある建物が、今では先鋭的なファッションを発信する場に。

日本が世界に誇るデザイナー、コムデギャルソンの川久保玲氏がディレクションするこの空間は、単なるセレクトショップではありません。それは、ファッション、アート、デザインが融合し、常に新しい刺激を発信し続ける、まさに生きたインスタレーションなのです。銀座にもDSMはありますが、本場ロンドンの空気感はやはり格別。私の期待は膨らむばかりでした。

初めてのDSM London:予期せぬ出会いと発見(2023年)

2023年、初めてDSM Londonの前に立った時のことを鮮明に覚えています。ピカデリーサーカスからほど近いヘイマーケットに位置するその建物は、重厚で歴史を感じさせる外観。まるで美術館か博物館のような佇まいです。
ショーウィンドウには、ひときわ目を引く球体のアートワークが。この時点で、すでにDSMの世界観に引き込まれていたのです。

ドーバーストリートマーケットロンドンのショーウィンドウ。ピンクの背景に金属的なオブジェ。
ドーバーストリートマーケットロンドンのユニークなショーウィンドウ。金属製オブジェが目を引く。

CDGを纏うドアマンと、期待高まる店内へ

店舗の入口は、正面から少し脇に入った細道にあります。そこでは、コムデギャルソンのジャケットをシックに着こなしたドアマンが、静かに扉を開けてくれました。その洗練された立ち振る舞いに、「これからどんな体験が待っているのだろう」と胸が高鳴ったのを覚えています。「そのジャケット、おいくらですか?」と心の中で問いかけたのは、ここだけの秘密です。

一歩足を踏み入れると、そこはまさに川久保玲氏の美学が貫かれた空間。各ブランドのスペースは独立していながらも、全体として一つのアート作品のような調和を保っています。私の目指すは、StussySUPREMEPALACE Skateboardsといったストリートブランドが集まるフロア。まずは地下1階へと階段を降りました。

ストリートウェアフロアでの探索と、C.Eとの出会い

階段を降りてすぐの場所にStussyのセクションが。奥にはPALACE Skateboardsのスペースも見えます。SUPREMEは別の階にあるようでした。まずはロンドン スニーカーショップとしても名高いスニーカーコーナーをチェック。残念ながら、この時は特に心惹かれるモデルには出会えませんでした。

Stussyでは、DSM限定のTシャツなどがあればと期待していたのですが、その時は見当たらず。StussyはSOHO地区に直営店がありますが、以前、直営店では完売していたアイテムがDSMには残っていた、という経験があったため、ここでのチェックは欠かせません。諦めずに他のブランドも見て回っていると、思わぬ発見がありました。

なんと、日本のストリートブランド、C.E(Cav Empt)のアイテムが並んでいるではありませんか! しかも、以前買い逃してしまい、ずっと探していたグラフィックTシャツを発見したのです。迷わず試着室へ。サイズもぴったり、デザインもやはり素晴らしい。日本で買うよりも価格は少し張りますが、これは「思い出価格」として納得。ロンドンでの特別な出会いに感謝し、購入を決めました。

ドーバーストリートマーケットロンドンに展示されたC.Eの黒いグラフィックTシャツ
ロンドンのDover Street Marketで見つけた、C.EのアイコニックなグラフィックTシャツ。

後で知ったのですが、イギリスでのC.E.のアイテム展開は、日本よりも数ヶ月遅れることがあるようです。また、日本での人気アイテムとイギリスでの人気アイテムが異なることもあるため、海外のセレクトショップをチェックすると思わぬ掘り出し物に出会える可能性がある、という教訓を得ました。

C.EのTシャツ、前面に大きなガラケーのグラフィック、ドーバーストリートマーケットロンドン
90年代のヴァイブス!ドーバーストリートマーケットロンドンで発見したC.EのガラケーTシャツ。
白い背景にハンガーで掛けられたC.EのTシャツ。背面に青、赤、白を中心とした複雑な幾何学的グラフィックプリントが施されている。
Dover Street Market Londonで出会った、C.EのTシャツ。この背中のグラフィックがたまらない。

再訪DSM London:熱狂のコラボレーションスニーカー争奪戦(2024年11月)

そして2024年11月、私は再びロンドンを、そしてDSM Londonを訪れる機会に恵まれました。この時の目的は明確。偶然にも、私が滞在するタイミングで、New BalanceとWTAPSのコラボレーションスニーカーが発売されるという情報をキャッチしていたのです。これは行くしかありません。

開店前の行列と、予期せぬ「Stussy?」の問い

発売日当日、開店前のDSM Londonへ向かうと、そこには既に20代くらいのストリートファッションに身を包んだ若者たちが行列を作っていました。「あれ、これはもしかして事前に入場整理券が必要だったのか…?」と一瞬不安がよぎります。

戸惑っていると、店員さんから「Stussy?」と声をかけられました。どうやらその日はStussyの新作も店頭に並ぶ日で、Stussy目当ての客には事前の入店チケットが配布されていたようです。私が「いえ、New Balanceを買いに来ました」と伝えると、「OK」と別の待機列へ案内されました。なるほど、人気ブランドの新作発売日には、こうしたオペレーションがあるのですね。Stussyなどを狙う場合は、事前の情報収集が不可欠だと学びました。これもまた、リアルな体験から得た教訓です。

ついに手にした、幻の一足

ほどなくして開店。私は逸る気持ちを抑え、一直線にスニーカー売り場へ。ありました! New BalanceとWTAPSのコラボレーションモデル「998」が鎮座しています。すぐに店員さんにマイサイズを伝えると、幸運にも在庫があるとのこと。試着し、フィット感も問題なし。購入を決めました。

私の後ろに並んでいた人も同じモデルを試着していたようですが、聞けばサイズ展開は3つか4つほどしかなかったとのこと。まさに僅差での勝利。2023年のC.E.のTシャツに続き、今回も素晴らしい買い物ができました。「また必ず来ます」と心に誓い、満足感とともに店を後にしました。

グレーを基調としたNew Balance 998 WTAPSコラボレーションスニーカー。スニーカーボックスの上に置かれている。
2024年11月、ロンドンのDover Street Marketで手に入れたNew Balance x WTAPS 998。偶然の発売日ゲット!

なぜDSM Londonは人々を魅了し続けるのか?

DSM Londonの魅力は、単に人気ブランドの商品が手に入ることだけではありません。私が考えるその真髄は、以下の点に集約されるように思います。

五感を刺激する、唯一無二の空間体験

まず特筆すべきは、その空間自体が持つアート性です。川久保玲氏のディレクションのもと、各ブランドが独自のクリエイティビティを発揮しながらも、建物全体が一つの生命体のように呼吸している。歩いているだけでインスピレーションが湧き、新しい発見がある。これは、他のどんなショップでも味わえない、Dover Street Market Londonならではの体験です。

未知との遭遇:新たなブランド、新たなファッション

もちろん、取り扱いブランドのセレクションも秀逸です。コムデギャルソンの各ラインはもちろん、世界中から集められたハイエンドなデザイナーズブランド、そして私のお目当てでもあるエッジの効いたストリートブランドまで、その幅広さと深さには毎回驚かされます。「こんなブランドがあったのか」「こんなファッションの表現があるのか」と、文字通り目から鱗が落ちるような体験ができるのです。

「もしかしたら」がある場所:限定アイテムと再会のチャンス

そして、やはり見逃せないのがDSM限定アイテムや、人気コラボレーションモデルの取り扱いです。私の体験談でも触れたように、直営店では完売してしまったアイテムや、本国とは異なるタイミングでリリースされる商品に出会える可能性があります。StussySUPREMEPALACE Skateboardsといった人気ブランドのファンであれば、諦めずにDSM Londonを訪れる価値は十分にあります。公式サイト(london.doverstreetmarket.com)での事前チェックも忘れずに。

まとめ:DSM Londonは、次の旅の目的地リストに加えるべき場所

Dover Street Market Londonは、ただ買い物をする場所ではなく、訪れるたびに新たな発見と感動を与えてくれる、まるで現代アートのギャラリーのような存在です。そこには、創り手の情熱と、訪れる者の知的好奇心を刺激するエネルギーが満ち溢れています。

もしあなたがロンドンを訪れる機会があり、ファッションやアート、デザインに少しでも興味があるなら、ぜひDSM Londonに足を運んでみてください。きっと、あなたの感性を揺さぶる特別な体験が待っているはずです。そして、その体験が、あなたの次の行動を後押しする何かになるかもしれません。

このロンドン ファッションブログの記事が、あなたのロンドン旅行の参考になれば幸いです。Photomoはこれからも、CityNomixのリアルな体験を通して、世界の街の魅力をお届けしていきます。次回の記事もお楽しみに。

公式サイト: https://london.doverstreetmarket.com/

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