CityNomixです。デジタルマーケティングの世界で数字と格闘する日々を送る私が、ふと心を解き放ちたくなる瞬間があります。それは、街の空気と小麦の香りが交差する場所を見つけたとき。
今回は「東京のブルックリン」とも称され、感度の高いショップやカフェが集まる街、蔵前(Kuramae)へ足を運びました。目指すは、パン好きなら一度はその名を聞いたことがあるであろう名店、シノノメ製パン所(Shinonome Seipanjo)です。
「夕方にはほとんど売り切れてしまう」
そんな噂を耳にしながらも、スケジュールの都合で私が店先に辿り着いたのは平日の16時頃。果たしてパンは残っているのか?そして、多くの人を魅了するその味の正体とは?
今回は、実際に訪れて感じたお店の雰囲気、運良く購入できたパンの実食レビュー、そしてこれから訪れる方へ向けた「攻略法」を、Photomoらしいモノトーンでミニマルな視点で綴ります。
蔵前の路地に佇む、静謐なベーカリー
蔵前の大通りから一本入ると、静かな住宅街の中にひっそりと、しかし確かな存在感を放つ木製のファサードが現れます。華美な装飾を削ぎ落とし、素材の温もりを活かしたその外観は、まるでヨーロッパの街角にある老舗のよう。
大きなガラス窓には透け感のある白いカーテンがかかり、店内の様子を柔らかく隠しながらも、焼きたてのパンの香りを想像させます。

入り口に置かれた黒いスタンド看板には、「店内へのご案内は一度につき6名様まで」という案内書き。これは単なるルールではなく、客一人ひとりがパンと向き合う時間を大切にするための、店側の配慮とも受け取れます。そして「CASH ONLY」の文字。デジタル化が進む現代において、あえて現金を貫く姿勢にも、職人の矜持のようなものを感じずにはいられません。

足元に目をやると、真鍮の看板の横で、パンをかじっている木彫りの熊が出迎えてくれます。洗練された空間の中にふと現れる、こうしたウィットに富んだ遊び心が、CityNomixの心を掴んで離さないのです。
検証:平日の夕方16時、パンは残っているのか?
重厚な扉を開け、コンクリート打ちっぱなしのスタイリッシュな店内へ。さて、ここからが本題です。「売り切れ」の懸念を抱きながらショーケースを覗き込むと……。

予感は的中しました。かつて昼時に訪れた際には、所狭しと並んでいたハード系パンやデニッシュたちの姿はそこにはありません。残っていたのは、整然と並ぶ美しいクロワッサンと、右下にわずかに見えるベーコンエピのみ。
「やはり……」と肩を落としそうになりましたが、見方を変えれば、これだけの人気店でありながら、夕方でも焼きたてのクロワッサンに出会えたことは奇跡に近いのかもしれません。
参考:種類が豊富な時間帯の景色
ちなみに、以前もっと早い時間に訪れた際のショーケースの様子がこちらです。


大葉エピ、トマトとカシューナッツ、パルミエ……。この圧倒的なビジュアルとラインナップ。これらを目当てにするならば、やはり開店直後(12:00〜)の訪問は必須と言えるでしょう。しかし、選択肢が限られた状況だからこそ、目の前のパン一つひとつに集中できるというメリットもあります。
実食:五感を刺激するシノノメのパンたち
今回は運良く購入できたクロワッサンに加え、以前の訪問で感動した「あんバターサンド」と「エッグタルト」の記憶も呼び起こしながら、その魅力をレポートします。
1. 背徳と至福の融合「あんバターサンド」

シノノメ製パン所を語る上で外せないのが、このあんバターサンドです。ご覧ください、このバターの厚みを。もはや「塗る」のではなく「挟む」という表現が正しい、板状の有塩バター。
口に入れると、まずはハードなパンのガリッとした香ばしい食感が響き、続いて体温で溶け出したバターの塩気とコクが広がります。そして、たっぷりと挟まれた粒あん。このあんこが甘すぎず、小豆本来の豆の味がしっかりと感じられるため、分厚いバターと合わせてもくどさを感じさせません。
「カロリー? 今日だけは忘れましょう」と自分に言い聞かせたくなる、罪深い美味しさです。
2. 黄金色の誘惑「エッグタルト」

続いては、ショーケースの中で黄金色の輝きを放っていたエッグタルト。
手に取ると、幾重にも重なったパイ生地の層が指先に伝わります。一口かじれば、「パリパリッ」という軽快な音と共に、濃厚なカスタードフィリングがとろり。表面の焦げ目の香ばしさがアクセントになり、小さくても満足度の高い一品です。コーヒーとの相性は言うまでもありません。

3. シンプルこそ最強「クロワッサン」
そして今回、夕方の救世主となったクロワッサン。

ロゴ入りの袋から取り出すと、夕方の自然光を浴びて美しい層が浮かび上がります。時間が経っているにもかかわらず、その食感は驚くほどサクサク。バターの香りが鼻腔をくすぐりますが、決して油っぽくなく、後味は上品。
「残り物には福がある」とはまさにこのこと。もし夕方に訪れてクロワッサンしか残っていなかったとしても、決してがっかりする必要はありません。むしろ、この基本の味をじっくり味わうチャンスと捉えてください。
CityNomix流:シノノメ製パン所 攻略のポイント
実際に足を運んで分かった、訪問時の注意点と攻略法をまとめます。
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- 来店時間は12:00〜13:00がベスト: 狙いのパンがある場合、オープン直後が勝負です。16時以降は「買えたらラッキー」程度の心持ちで。
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- 支払いは現金のみ(Cash Only): これ重要です。普段電子マネー派の方も、ここへ行く前には必ずATMへ。
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- 入店制限は6名: 週末は行列必至です。時間に余裕を持って、並ぶ時間も街の景色を楽しむくらいの気持ちで。
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- テイクアウト専門店: イートインスペースはありません。近くの隅田川テラスや公園でピクニック気分で楽しむのがおすすめです。
まとめ:記録ではなく、記憶に残るパンを
シノノメ製パン所は、単なる「パンを買う場所」ではありません。静謐な空間、選び抜かれた素材、そして職人の手仕事が生み出す「体験」を持ち帰る場所です。
夕方の訪問で売り切れを目の当たりにするのも、また一つのリアルな旅の記録。次回はどんなパンに出会えるのか、そんな期待を胸に再訪を誓うCityNomixでした。
シノノメ製パン所 メニュー
シノノメ製パン所のメニューは、季節や日によって変動しますが、定番のラインナップを知っておくことは重要です。あんバターサンドやクロワッサンに加え、ハード系のパン、季節のフルーツを使ったデニッシュ、そして焼き菓子類も充実しています。訪れるたびに新しい発見があるのも魅力の一つです。
シノノメ製パン所 レビュー
多くのパン好きが語るシノノメ製パン所のレビューには、「並んででも食べたい」「ハード系パンの香ばしさが格別」といった声が溢れています。特にあんバターのバランス感覚に対する評価は高く、一度食べたら忘れられない味として記憶に刻まれるようです。
シノノメ製パン所 おすすめ
初めて訪れる方に特におすすめしたいのは、やはり記事内でも紹介した「あんバターサンド」と「クロワッサン」です。これらはシノノメ製パン所の技術と哲学が凝縮された一品。また、もし見かけたら「大葉エピ」のような和素材を使ったパンもぜひ試してみてください。
シノノメ製パン所 写真
SNS映えするだけでなく、その美しい層や焼き色は、パンそのものが持つ生命力を感じさせます。店内の撮影は他のお客様への配慮が必要ですが、購入したパンを自然光の下で撮影すれば、それだけで絵になる一枚になります。
シノノメ製パン所 エッグタルト
隠れた人気商品であるエッグタルト。サクサクのパイ生地と濃厚なアパレイユのコントラストは、デザートとしても最適です。手土産としても喜ばれること間違いなしのアイテムです。
シノノメ製パン所 通販
現時点では、シノノメ製パン所のパンは店頭販売がメインであり、大規模な通販は行われていないようです(系列店の焼き菓子などはオンラインで見かけることもありますが、パンに関しては現地へ行く必要があります)。だからこそ、蔵前まで足を運ぶ価値があるのです。
シノノメ製パン所 イートイン
前述の通り、店内にはイートインスペースはありません。しかし、蔵前エリアには素敵な公園や、隅田川沿いのテラスがあります。テイクアウトして、東京の空の下で味わうのもまた一興です。
シノノメ製パン所 本
シノノメ製パン所を運営する「菓子屋シノノメ」のレシピ本などは出版されており、その美学やレシピの一部を知ることができます。ファンであれば、その世界観をより深く知るために手に取ってみるのも良いでしょう。
公式サイト:https://www.instagram.com/shinonome_pan/
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