神楽坂下交差点を上がり、すぐ右手に見えてくる風情ある佇まい。東京・神楽坂を語る上で欠かせない甘味処の名店、「紀の善」。その暖簾をくぐる瞬間は、いつだって特別な高揚感に包まれます。

CityNomixです。今回は、季節が移ろう10月に、この愛すべき老舗を2度訪問しました。一度閉店を惜しまれつつも、こうしてまた私たちを迎えてくれる「紀の善」。その変わらぬ風格と、何度訪れても新しい感動をくれる「味」について、熱量高めにお届けします。
特に今回フォーカスしたいのは、王道の抹茶ババロアはもちろんですが、個人的に「一生モノの食感」だと確信した「粟(あわ)ぜんざい」です。まだ食べたことがない方は、人生損をしているかもしれません。さあ、神楽坂の坂道を少し上って、至福の甘味体験へ出かけましょう。
10月前半の贅沢:夏の名残と濃厚抹茶かき氷
10月に入っても、東京にはまだ少し夏の名残が感じられる日があります。そんな「名残の暑さ」を言い訳に、まず向かったのはかき氷の食べ納めです。

店内に入ると、明るい木目調の天井とダウンライト、そして「紀の善」の文字が染め抜かれた白い暖簾が、外の喧騒を忘れさせてくれる落ち着いた空間を作り出しています。席に案内され、ほっと一息つく瞬間。

まず運ばれてくるのが、熱いお茶とお茶請けの「豚せんべい」。この塩気の効いたお煎餅が、これから甘いものを迎える口の中を完璧に整えてくれるのです。こういう細やかなおもてなしに、老舗の矜持を感じずにはいられません。
宇治金時で感じる「本物」の抹茶

注文したのは、鮮やかな緑色が眩しい「宇治金時」。10月前半、ギリギリ滑り込みで味わうかき氷は格別です。紀の善の抹茶シロップは、ただ甘いだけではありません。しっかりと抹茶の苦味と香りが立ち、大人の味覚を満足させてくれます。
氷の中央には、甘すぎない粒あんがどっしりと鎮座し、底にはもちもちの白玉が隠れています。食べ進めるごとに変化する食感と温度のコントラスト。まさに、過ぎゆく夏を惜しむのにふさわしい一杯でした。
10月後半の感動:食感の虜になる「粟(あわ)ぜんざい」
肌寒さを感じ始めた10月後半、温かい甘味を求めて再訪しました。この日の目的は、心も体も温まる「ぜんざい」です。
王道の「栗ぜんざい」という選択肢

秋の味覚といえば栗。まずは友人が頼んだ「栗ぜんざい」を一口シェアさせてもらいました。蓋を開けた瞬間に目に飛び込んでくる、黄金色に輝く大きな栗の甘露煮が3つ。焼き餅の香ばしさと、ふっくら炊かれた粒あんの相性は言わずもがな。間違いのない、王道の美味しさです。
未体験の衝撃!「粟(あわ)ぜんざい」
しかし、今回私が最も強く推したいのは、こちらの「粟(あわ)ぜんざい」です。

見てください、この美しい黄色と紫のコントラスト。蒸した「粟(あわ)」に、滑らかなこし餡をたっぷりとかけた一品です。
一口食べて、衝撃が走りました。お餅とも、白玉とも全く違う食感。粟の粒々がプチプチと弾けたかと思うと、次の瞬間にはモチモチとした粘り気が口いっぱいに広がります。この独特のテクスチャーは、他ではなかなか味わえません。
そして、こし餡の上品なこと! 粟の素朴な穀物の風味を、洗練された餡の甘さが優しく包み込みます。添えられた塩昆布を合間に挟めば、甘さと塩気の無限ループ。これぞ、大人のための極上のデザート。私が「虜(とりこ)」になった理由が、きっと一口で伝わるはずです。
お家でも感動レベル!テイクアウトの魅力
紀の善の素晴らしいところは、テイクアウトでもそのクオリティが全く落ちないことです。

入り口すぐの冷蔵ショーケースには、名物の抹茶ババロアやあんみつがずらりと並んでいます。店内で並ぶ時間がない時や、家族への手土産にはテイクアウトが最適です。
不動の看板商品「抹茶ババロア」

やはり外せないのが「抹茶ババロア」。濃厚な抹茶の風味を凝縮したババロアに、たっぷりの生クリームと粒あん。この「苦味・コク・甘味」のバランスは、計算し尽くされた黄金比と言えるでしょう。自宅でゆっくりと、濃いめの日本茶やコーヒーと一緒に楽しむのもまた一興です。
訪問前にチェック!紀の善に関するQ&Aと最新情報
ここからは、読者の皆さんが気になっているであろうポイントについて、最新の情報を交えてお答えします。
紀の善 その後
2022年の突然の閉店発表は多くのファンに衝撃を与えましたが、その後、多くの惜しむ声に応える形で営業が再開されたことは、甘味好きにとって最大のニュースでした。2025年現在、お店は以前と変わらぬ活気を取り戻しています。伝統を守りつつ、時代に合わせて進化を続けるその姿勢こそが、名店たる所以でしょう。
紀の善 メニュー

メニューは季節によって変わりますが、通年楽しめる「抹茶ババロア」「あんみつ」「豆かん」に加え、春の「苺あんみつ」、夏のかき氷、秋冬の「栗ぜんざい」「粟ぜんざい」など多彩です。価格帯は1,000円〜1,300円前後。写真付きのメニューや入り口のサンプルがあるので、初めての方でも安心して選べます。
紀の善 抹茶ババロア デパ地下
「紀の善の抹茶ババロアはデパ地下で買えるの?」という質問をよく受けます。過去には松屋銀座などで期間限定出店や取り扱いがあったこともありますが、基本的には神楽坂の本店で購入するのが確実です。デパ地下を探し回るよりも、神楽坂散策を兼ねて本店へ足を運ぶことを強くおすすめします。作りたてのフレッシュさは格別です。
紀の善 神楽坂 復活
「復活」という言葉がこれほど似合うお店もありません。神楽坂の街並みも少しずつ変わっていますが、紀の善がそこにある安心感は絶大です。営業再開後は、以前からの常連客に加え、SNSで知った若い世代や外国人観光客も増え、新たなファン層を広げています。
紀の善 レビュー
Googleマップや食べログなどのレビューを見ても、「変わらぬ美味しさ」「接客が丁寧」といった高評価が並びます。特に「甘すぎない餡」への評価が高く、甘いものが苦手な男性からの支持も厚いのが特徴です。私自身のレビューとしても、味、空間、接客、すべてにおいて星5つを付けたい名店です。
紀の善 神楽坂 メニュー
神楽坂店限定のメニューというよりも、すべてのメニューが「神楽坂の味」として定着しています。ただし、季節限定メニュー(例:冷やし汁粉など)は時期を逃すと来年まで食べられないので、店頭の貼り紙や公式Instagramは要チェックです。
紀の善 予約
基本的に、紀の善では席の予約は受け付けていません。休日の午後などは行列ができることも珍しくありませんが、席数が多く回転も比較的早いため、意外と待ち時間は短めです。狙い目は平日の午前中か、夕方の早い時間帯です。
紀の善 乃木坂
「紀の善」で検索すると「乃木坂」が出てくるのは、乃木坂46の楽曲『他の星から』の歌詞に「紀の善」が登場するからです。ファンの間では聖地として知られ、「あんみつ」を注文するのが定番となっています。アイドルファンも、純粋な和菓子ファンも、同じ空間で甘味を楽しんでいる光景もまた、現代の紀の善らしい風景です。
神楽坂を訪れた際は、ぜひ「紀の善」で、心安らぐひとときをお過ごしください。
公式サイト(Instagram):https://www.instagram.com/kinozen_official/
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