CityNomixです。
デジタルマーケティングの仕事でリスボンを訪れ、Web Summitの熱気に当てられた後、ふと訪れる静寂と空腹。
先日記事にしたContinenteでのスーパーマーケット探訪で、部屋飲み用のビールとバラマキ土産を確保した後、私は再びオリエンテ駅周辺、パルケ・ダス・ナソンイス(Parque das Nações)の夜を歩いていました。
目指すは、昨日満席で断念せざるを得なかったレストラン「Páteo Restaurante」です。
実は昨晩、ポルトガル料理の口になっていた私はこの店のドアを叩いたのですが、あいにくの貸切営業。「明日来てよ!」というスタッフの陽気な声を背に、その日はEat Thaiでタイ料理を楽しんだという経緯があります。
今日はリベンジマッチ。果たして、リスボンのおすすめレストランとして読者の皆さんに紹介できる体験が待っているのか。期待と少しの不安を胸に、再びあのドアを開けました。
「おかえり!」から始まる、リスボンの夜
店に入ると、昨日対応してくれたスタッフと目が合いました。
「おおー、おかえりなさい!今日は大丈夫だよ!」
この瞬間、私は「ああ、この店に来てよかった」と確信しました。これです。これがポルトガルの、そしてリスボンのいいところ。
昨日は断られただけの関係なのに、まるで常連のように迎え入れてくれる。この人懐っこさとフレンドリーさは、デジタル上のやり取りでは決して代替できない、リアルな旅の醍醐味です。
観光客向けの形式的な接客ではなく、人と人との温度を感じるコミュニケーション。席に着く前から、私の心はすでに満たされ始めていました。
メニュー選び:スタッフとの会話で決める最適解
「どこでも好きな席に座って」と促され、落ち着いたテーブルへ。

すぐにメニューを持ってきてくれた彼に、早速おすすめを聞いてみます。


「ハムは好きかい?」
「Yes」と即答。イベリコ豚の生ハムは決定です。もちろん、それに合わせるビールも。
「メインはどうしようか。ポルトガルらしいものが食べたいんだけど」と相談すると、「肉と魚、どっちの気分?」との返し。「お肉で」と伝えると、自信満々にある料理を勧めてくれました。
こういう時、変に知ったかぶりをして自分で選ぶより、ローカルのプロに委ねるのがCityNomix流の正解への近道です。
前菜:輝く生ハムとビールの至福
程なくして運ばれてきたのは、木箱に入ったパンと、白い皿に美しく盛られた生ハムでした。

見てください、この艶。脂が室温で溶け出し、キラキラと輝いています。
「QUINTA SEARA D’ORDENS」と焼印が押された木箱に入った自家製ブレッドは、素朴ながらも小麦の香りがしっかりと感じられます。
まずは生ハムをそのまま口へ。塩気と脂の甘みが舌の上で絶妙なバランスで溶け合います。そこに冷えたビールを流し込む。

最高だ。これ以上の言葉が必要でしょうか。
旅の疲れ、仕事のプレッシャー、そういったノイズが一気に消え去り、目の前の「旨味」だけに感覚が集中します。
次に、テーブルのオリーブオイルを手に取ります。

カリッと焼かれたトーストに生ハムを乗せ、オリーブオイルをたっぷりと回しかける。合わないわけがありません。
シンプルだからこそ素材の力が試される食べ方ですが、Páteoの生ハムは期待を裏切りません。オリーブオイルの青々とした香りが、生ハムのコクを一層引き立てます。
メインディッシュ:仔牛のオーブン焼き(Oven-baked Veal)
生ハムの余韻に浸っていると、メインディッシュが到着しました。

「Oven-baked Veal in a traditional sauce」。
伝統的なソースでじっくりとオーブン焼きにされた仔牛(Veal)です。付け合わせには、金属製の皿にたっぷりと盛られた黄色いライス。
一口食べると、その肉肉しさに驚かされます。仔牛特有の柔らかさがありながら、しっかりとした噛みごたえ。噛むほどに肉の旨味が溢れ出します。
そして何より、この「トラディショナルソース」が素晴らしい。
香味野菜やワイン、ハーブの香りが複雑に絡み合い、濃厚なブラウンソースが淡白な仔牛肉に深みを与えています。少し固めに炊かれたピラフとの相性も抜群です。
洗練されすぎたフレンチのような一皿ではなく、どこか家庭的で、でも家庭では出せないプロの味。私が求めていた「リスボンの夜の食事」はまさにこれでした。
ローカルが愛する「場の空気」
食事の手を休めて店内を見渡すと、そこには心地よい「ローカル感」が漂っていました。
MEOアリーナやオリエンテ駅に近い場所にありながら、観光客向けに特化したような騒がしさはありません。

地元の家族連れやカップルが、ワイングラスを片手にゆっくりと会話を楽しんでいる。壁に描かれた街並みのスケッチや、コルクのような質感の壁面デザインも、モダンでありながら温かみを感じさせます。
「リスボン おすすめ レストラン」で検索すると、どうしてもバイシャ地区の有名店ばかりが出てきますが、少し中心部を離れたこのエリアには、こうした「普段使いの良店」が隠れています。
予期せぬおまけ:焼き栗のプレゼント
生ハムとボリューム満点の仔牛料理でお腹はいっぱい。デザートを勧められましたが、笑顔で「ギブアップ」と伝えました。
すると、スタッフがニヤリと笑って小皿を持ってきてくれました。

「これはサービスだよ」
置かれたのは、2粒の焼き栗。秋の味覚です。
お腹はいっぱいと言ったのに、こういうちょっとした一口サイズのおまけは別腹です。ほくほくとした栗の甘みが、肉料理の後の口直しにぴったりでした。
このさりげないホスピタリティ。Páteo Restauranteが地元で愛されている理由がわかった気がします。
Páteo Restaurante 概要とアクセス
Páteo Restaurante
MEOアリーナやリスボン国際広場から徒歩圏内。Web Summit参加者や、コンサート前後の食事にも最適です。
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- 予算感: ディナー 20€〜40€(ワイン含む)
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- 雰囲気: 落ち着いたローカルモダン
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- おすすめ: 生ハム、オーブン料理
アクセス:
公式サイト: https://www.pateorestaurante.pt/
リスボンのレストラン選び:CityNomixの視点
さて、ここからはPáteoでの体験を踏まえ、リスボンでのレストラン選びに役立つ情報を、皆さんが気になるキーワードに合わせて整理してお伝えします。
リスボン レストラン ランキング
TripAdvisorやGoogleのランキングは参考になりますが、上位の店が必ずしも「今の気分」に合うとは限りません。特にランキング上位店は数ヶ月前からの予約が必要なことも。Páteoのように、ランキングのトップ10には入っていなくても、地元の人で賑わっている「中堅の実力店」を見つけるのが、満足度の高い食事をするコツです。自分の足で歩き、客層を見て直感で選ぶ、そのプロセスも旅の楽しみの一つです。
リスボン レストラン 安い
リスボンは西欧諸国の中では外食費が比較的安い都市ですが、観光地価格の店も増えています。安くて美味しい店を探すなら、ランチタイムの「Prato do Dia(本日の料理)」を狙いましょう。10ユーロ前後でスープ、メイン、ドリンクが付くセットが多くあります。また、Páteoのような住宅街に近いエリアのレストランは、中心部よりもコストパフォーマンスが良い傾向にあります。
リスボン レストラン ミシュラン
美食の街リスボンには、「Belcanto」や「Alma」といったミシュラン星付きレストランも多数存在します。記念日や特別な体験を求めるなら、こうした店で現代的に再構築されたポルトガル料理を味わうのも素晴らしい選択です。ただし、ドレスコードや予約のハードルは高め。対して、Páteoのような店は「ビブグルマン」的な、価格以上の満足感を得られる日常の延長線上にある美食と言えるでしょう。
リスボン レストラン シーフード
大西洋に面したポルトガルといえばシーフード。特に「Cervejaria(セルヴェジャリア)」と呼ばれるビアホール形式の海鮮レストランが有名です。「Ramiro」などが代表格ですが、行列は必至。Páteoでも魚料理(Grilled Octopusなど)はメニューにありました。専門店でなくても、ポルトガルのレストランなら基本的にどの店でも、新鮮な魚のグリル(Peixe Grelhado)はハズレが少ないメニューです。
リスボン レストラン 一人
「一人旅でレストランに入るのは気後れする」という方もいるかもしれません。しかし、リスボンは一人客に非常に寛容です。今回の私のように、スタッフが気さくに話しかけてくれる店も多く、寂しさを感じることはありません。カウンター席がある店や、Páteoのような適度な活気がある店は、一人でも居心地が良いです。スマートフォンを見ながらではなく、料理と店内の雰囲気を楽しんでいれば、店員さんもよく気にかけてくれます。
ポルト レストラン おすすめ
もしリスボンから足を伸ばしてポルトへ行くなら、さらにディープな食体験が待っています。ポルトでは、内臓肉を使った「トリパス」や、カロリーの爆弾とも呼ばれるサンドイッチ「フランセジーニャ」など、よりパンチの効いた郷土料理が楽しめます。リスボンが洗練された首都の味なら、ポルトは力強い北部の味。両都市のレストランを食べ比べるのも、ポルトガル旅行の醍醐味です。
リスボン バイシャ 地区 レストラン
観光の中心地バイシャ地区。ここには無数のレストランがひしめき合っています。便利な反面、観光客向けの「当たり外れ」が大きいエリアでもあります。呼び込みが激しい店は避け、路地裏に少し入った店や、現地のサラリーマンがランチをしている店を選ぶのが鉄則です。Páteoがあるパルケ・ダス・ナソンイス地区は、バイシャの喧騒から離れ、よりモダンで落ち着いた食事ができるのが魅力です。
リスボン レストラン タコ
ポルトガルに来たら絶対に食べてほしいのが「タコ(Polvo)」です。日本のタコとは違い、驚くほど柔らかく調理されています。「Polvo à Lagareiro(タコのオーブン焼き)」は、たっぷりのオリーブオイルとニンニクで焼き上げられた逸品。今回のPáteoのメニューにも「Grilled Octopus」がありました。肉料理を選んだ私が言うのもなんですが、迷ったらタコを選べば間違いありません。
まとめ:記録ではなく、記憶に残る食事を
Páteo Restauranteでの食事は、単なる栄養補給ではなく、リスボンの人々の温かさに触れる体験でした。
美味しい生ハム、伝統的な仔牛料理、そしてスタッフの笑顔。これらが揃って初めて、そのレストランは「おすすめ」になります。
リスボンを訪れる際は、ぜひガイドブックの情報だけでなく、現地での出会いや直感を大切にしてください。そして、もしMEOアリーナ近くに行くことがあれば、Páteoのドアを叩いてみてください。「おかえり」とは言われないかもしれませんが、きっと温かい「ようこそ」が待っているはずです。



