【現地観戦記】クリスタルパレス鎌田大地を追う!セルハースト・パークの熱狂と評価

ロンドンの冬は、どんよりとした雲とともにやってくる。しかし、フットボールファンの心には、スタジアムのライトよりも明るい火が灯る季節だ。CityNomixです。今回は、ロンドン南部に位置するクリスタル・パレスFCのホームスタジアム、「セルハースト・パーク(Selhurst Park)」へ足を運んだ日の記録をお届けします。

 

目的はただ一つ。世界最高峰のプレミアリーグで戦う日本人選手、鎌田大地選手の姿を目に焼き付けること。そして、あわよくば対戦相手であるブライトンの三笘薫選手との「日本人対決」を目撃することだ。デジタルマーケティングの仕事で画面上の数値を追う毎日から抜け出し、リアルな熱狂と、スタジアムに漂うビールの匂い、そしてローカルなサポーターたちの息遣いを感じる旅へ。失敗談も含めた、ありのままの観戦記をシェアしよう。

セルハースト・パークスタジアムの全体案内図の看板。メインスタンド、アーサー・ウェイト・スタンドなどの各エリア、ゲート番号、周辺駅への方向が記載されている。
スタジアムの全体マップ。ゲート9と座席エリアDの位置を確認。

ロンドンの冬、熱狂のセルハースト・パークへ

2025年11月9日、午後。セルハースト・パークに到着した。ロンドン中心部からは電車で少し離れるが、この「地元のスタジアム」感がたまらない。近代的な巨大スタジアムも良いが、住宅街の中に突如現れるレンガ造りのスタジアムには、歴史と生活が密接に結びついた独特の情緒がある。

 

まずは位置確認だ。壁に掲示された古びたスタジアムマップを見る。「YOU ARE HERE」の文字。私の席はDエリア、ゲートは9だ。どうやら現在地とは正反対らしい。まあ、スタジアムを一周するのも悪くない。

 

試合前の儀式:プログラムとバス待ちの悲喜こもごも

公式プログラムは最高のお土産

スタジアムに着いて、まずやるべきことは「マッチデープログラム(Teamsheet)」の確保だ。これは絶対に外せない。わずかな金額で購入でき、その日の日付、対戦カード、そして登録選手の名前が刻まれた、これ以上ない記念品になるからだ。

クリスタル・パレスFC対ブライトン・アンド・ホーヴ・アルビオンFCのチームシート。鎌田大地と三笘薫の名前が記載されたメンバー表を手に持っている画像
当日の対戦プログラム(チームシート)を入手。クリスタル・パレスの鎌田大地選手とブライトンの三笘薫選手の名前がリストに並んでいます。

手に入れたプログラムを裏返す。そこには両チームのメンバーリストが並んでいた。「Crystal Palace」の欄には背番号18、Daichi Kamada。「Brighton」の欄には背番号22、Kaoru Mitoma。紙の上では日本人対決が実現している。期待が高まる瞬間だ。

 

ゲート9の反対側で見た希望と落胆

ゲート9を目指してスタジアムの反対側へ向かっている途中、人だかりができている場所に出くわした。大きな黒いバスが到着したところだ。ピンと来た。「これはブライトンのチームバスではないか? もしかして三笘選手に会えるかも!?」

スタジアムの入り口でブライトンのチームバスから降りて歩くヒュルツェラー監督と警備員たち
ブライトンのチームバスが到着し、ヒュルツェラー監督の姿を目撃した瞬間。

期待に胸を膨らませて近づく。先頭で降りてきたのは、ブライトンの若き指揮官、ファビアン・ヒュルツェラー監督だ。茶色のセットアップが決まっている。続いて選手たちが次々と降りてくる。カメラを構え、息を呑んで見守る。

 

しかし……待てど暮らせど、三笘薫は出てこない。

 

ネット上では「復帰するのではないか」と噂されていたが、現実は厳しかった。ベンチ入りメンバーにも姿がないということは、今日の試合での日本人対決はお預けだ。内心、すごくガッカリした。SNSで「三笘いなかった…」とつぶやきたい衝動に駆られたが、この切ない情報は記事にする今の今まで取っておくことにした。旅にトラブルや肩透かしはつきものだ。これもまた、リアルな体験の一部である。

 

スタジアムグルメとグッズ:パレスエールの味

マフラーを求めてクラブショップへ

気を取り直して、グッズ売り場へ向かう。やはり現地に来たら、そのチームのカラーを身に纏いたい。特に冬の観戦にはマフラーが欠かせない。

クリスタル・パレスFCのオフィシャルクラブショップの外観と、入店待ちの人々
グッズを求めて賑わうクリスタル・パレスFCのオフィシャルショップ

オフィシャルショップは赤レンガの建物で、こじんまりとしている。試合開始が近づくにつれて入場規制がかかるほどの混雑ぶりだ。これから行く人は、スタジアムに着いたらまずショップへ直行することをおすすめする。

手に持った赤、青、白の配色のニットマフラー
15ポンドで購入したチームカラーのマフラー

店内も熱気で溢れていたが、無事に赤と青のチームカラーのマフラーをゲットできた。価格は15ポンド。これを首に巻くだけで、自分も「パレスの一員」になったような気分になれるから不思議だ。

 

ちなみに、ゲート9の近くには「ファンスペース」なるものがあった。食事やドリンク、グッズ販売がある魅力的なエリアだ。しかし、ここに入るには会員証が必要らしい。私はチケット購入のために有料会員になっていたのだが、事前に発生したトラブルで会員証が手元になかった。しかも中は超満員。今回は潔く諦めることにした。事前準備の大切さを痛感する。

 

伝統の味、パレスエールで乾杯

いよいよゲートから入場だ。荷物チェックを済ませ、スマホのウォレットに入れておいたチケットをタッチして中へ進む。階段を上がると、コンコースにはフードショップが並んでいる。ここでエネルギーチャージが必要だ。

スタジアムの売店のメニューボードとカウンター
試合前のスタジアム売店。名物の「Palace Ale」がメニューに並ぶ。

迷わず選んだのは「Palace Ale(パレスエール)」。スタジアム名を冠したビールを飲まずして、観戦は始まらない。

暗いテーブルの上に置かれたプラスチックカップ入りのパレスエール
パレスエールで喉を潤し、とりあえずのエネルギー補給

プラスチックカップになみなみと注がれた黄金色のエール。周囲では、地元の荒くれ者……いや、熱心なサポーターのおじさんたちが、既に出来上がった様子で雑談している。中には物騒な言葉を叫んでいる人もいるが、それもプレミアリーグのスタジアムの「BGM」のようなものだ。誰もが今日の試合を楽しみにしている。

 

キックオフ:ピッチの近さと鎌田大地の躍動

ゲート9から広がる極上の景色

ビールを飲み干し、スタンドへ出る。目の前に広がった光景に、思わず声が出た。「キター!めっちゃいい席!近い!」

ピッチに近い観客席から見た、クリスタル・パレスFCの本拠地セルハースト・パークのスタジアム全景
「キター!めっちゃいい席!近い!」ピッチが目の前に広がる臨場感あふれる座席からの眺め

リセールで手に入れた席だったが、ピッチが驚くほど近い。選手たちの息づかいまで聞こえてきそうな距離だ。反対側の奥にはブライトンのサポーター席が見える。アウェイ席の狭さと隔離された感じを見ると、敵地で戦うことの厳しさを改めて感じる。

 

Go! Kamada! 響き渡るチャントと地元の熱気

ウォーミングアップが終わり、選手たちが入場する。スタジアム中に響き渡るクリスタル・パレスのチャント。ブライトンのそれが「応援歌」だとすれば、パレスのそれは「ロックンロール」だ。腹の底に響くような重低音とリズム。ライブハウスにいるかのような高揚感に包まれる。

 

試合開始。三笘選手はやはりいないが、ピッチには背番号18、鎌田大地の姿がある。「Go! Kamada! Go! Palace!」心の中で叫び、拍手を送る。

満員のスタジアムのピッチに立つ、背番号18をつけたクリスタル・パレスの鎌田大地選手と対戦相手の選手たち
セルハースト・パークのピッチに立つクリスタル・パレスの鎌田大地選手(背番号18)

試合は序盤から拮抗した展開となった。両チームともに順位が近く、どうしても勝ち点3が欲しい状況。お互いにチャンスを作るものの、決定力を欠き、ゴールが遠い。

満員のスタジアムでドリブルをするクリスタル・パレスの鎌田大地選手
相手選手と競り合いながら攻め上がる鎌田大地選手(Go!Kamada!)

そんな中、鎌田選手は中盤でタフに戦っていた。相手の攻撃の芽を摘み、パレスの攻撃の起点となるパスを供給する。派手なゴールこそないものの、その献身的なプレーには、目の肥えたロンドンのサポーターからも惜しみない拍手が送られていた。

満員の観客席を背景に、ピッチ上に立つクリスタル・パレスの鎌田大地選手(背番号18)の後ろ姿と、対戦する黄色いユニフォームのブライトンの選手たち。
終始素晴らしいプレーを見せ、スタジアムから拍手を送られるクリスタル・パレスの鎌田大地選手。

夕暮れのスタジアムと祈るサポーター

私の隣には、典型的な地元の中年サポーターが座っていた。彼は最初、私の席を間違えて座ろうとしたり、「クソツーリストめ!」と悪態をついたりと、なかなかの「フーリガン」ぶりを発揮していた(心の中で私も「ファッキンツーリストだが何か?」と言い返したが)。

サッカースタジアムでプレーするクリスタル・パレスの鎌田大地選手(背番号18)と黄色いユニフォームの相手選手たち
プレミアリーグで躍動するクリスタル・パレスの鎌田大地選手

しかし、試合が進み、0-0のまま時間が過ぎていくと、彼の様子が変わった。両手を顔の前で組み、まるで少女のように祈り始めたのだ。「Common! Palace! Common!」と、何度も何度も叫ぶその声は、悲痛なまでの願いに満ちていた。

夕暮れ時にライトアップされた満員のサッカースタジアムと試合中の選手たち
日が落ちて暗くなり、照明が点灯した試合中のスタジアム

日が落ち、スタジアムの照明が灯る。美しくライトアップされたピッチで、男たちが走り、スタンドの男たちが祈る。彼らにとって、フットボールは単なる娯楽ではない。生活そのものであり、週末の勝敗が翌週の人生を左右するほどの重みを持っているのだ。悪態をついていたおじさんの純粋な祈りを見て、私はプレミアリーグが愛される理由を肌で感じた気がした。

 

試合は結局、0-0の引き分けに終わった。アウェイで勝ち点1を拾ったブライトンサポーターは満足そうだが、パレスとしては悔しい結果だ。しかし、スピード、パワー、スタジアムの雰囲気、そしてサポーターの情熱。どれをとっても世界最高峰だった。

 

クリスタル・パレス鎌田大地選手を深く知る

現地で鎌田選手のプレーを見て、さらに興味を持った読者のために、クリスタルパレス 鎌田選手に関する気になるトピックをまとめておこう。

 

クリスタルパレス鎌田 評価:現地サポーターの反応

現地で感じたのは、鎌田選手へのリスペクトだ。派手なドリブルで沸かせるタイプではないが、戦術眼の高さと献身的な守備、そしてリンクマンとしての働きは高く評価されている。ミスをした時には厳しい声も飛ぶが、良いプレーには即座に大きな拍手で応える。それがプレミアリーグのファンの誠実さだ。

 

鎌田大夢と鎌田幹雄:サッカー一家の絆

鎌田選手の活躍の裏には、サッカー一家としての背景がある。弟の鎌田大夢(ひろむ)選手もプロサッカー選手として活動しており、兄弟揃っての活躍が注目されている。また、父である鎌田 幹雄氏もサッカー経験者であり、幼少期からの指導やサポートが現在の大地選手の基礎を作ったと言われている。

 

クリスタルパレス 鎌田 ユニフォームと背番号18

スタジアムのショップでは、クリスタルパレス 鎌田 ユニフォームを着ているファンもちらほら見かけた。彼が背負う背 番号「18」は、フランクフルト時代から愛着のある番号でもあり、パレスでも攻撃の中心としての期待が込められている。

 

鎌田選手のコンディションと怪我の情報

プレミアリーグはフィジカルコンタクトが激しく、クリスタル パレス 鎌田 怪我という検索ワードも気になるファンが多いだろう。幸い、私が観戦した試合ではフルに走り回っており、コンディションの良さを感じさせた。過密日程の中で怪我なくシーズンを戦い抜くタフさも彼の一流たる所以だ。

 

鎌田大地 奥さんや家族の支え

海外生活が長い鎌田選手にとって、鎌田大地 奥さんや家族の存在は計り知れない。異国の地での生活を支えるパートナーの存在があってこそ、厳しいプレミアリーグで戦い続けられるのだろう。

 

クリスタル パレス 鎌田 スーツ姿の魅力

ピッチ外では、移動時や公式イベントでのクリスタル パレス 鎌田 スーツ姿も話題になることがある。スタイリッシュな着こなしは、プレー同様にスマートで、現地のファンからも「クールだ」と評判だ。

 

旅のまとめとアクセス情報

セルハースト・パークへの旅は、単なるサッカー観戦以上の体験だった。ロンドンのローカルな空気、パレスエールの味、そしてサポーターたちの祈り。鎌田選手のプレーを通じて、イギリスの文化そのものに触れることができた。

 

ロンドンを訪れる際は、ぜひクリスタル・パレスの試合に足を運んでみてほしい。そこには、観光地化されていない「本物のロンドン」があるはずだ。

 

おすすめポイント: スタジアムの熱気、パレスエール、リーズナブルなプログラム
購入したもの: クリスタル・パレスのサッカーマフラー(15ポンド)
公式サイト: Crystal Palace FC

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