日本での雪辱戦、舞台はロンドン。狙うは一足のWTAPS New Balance
デジタルの世界を歩き回り、マーケティングの地図を描くことが私の日常。しかし、心のコンパスが指し示すのは、常にリアルの街角だ。CityNomixとして、私は歩き、撮り、書く。そのプロセスの中で、都市の断片的なカルチャーを掬い上げる。今回は、そんな私の個人的なリベンジから始まる物語だ。
ターゲットは、WTAPS × New Balance 2010。日本国内での抽選、そして先着販売。あらゆるデジタル上の戦いに、私は敗れた。その悔しさをスーツケースに詰め込み、私はロンドンの曇り空の下にいた。この旅の目的は、単なる観光ではない。一足のスニーカーを巡る、執念の追跡劇なのだ。
最初の目的地は、ファッションの聖地Dover Street Market Londonだった。しかし、そこには求めていた答えはなかった。だが、ここで諦めるわけにはいかない。私の足は、次なる可能性を秘めた場所、SOHOへと自然に向かっていた。
END.で見た希望と絶望。WTAPS New Balance 2010とのニアミス
ロンドンのSOHO地区。ネオンと石畳が交錯するこのエリアは、いつ訪れても刺激的だ。私の目的地は、モダンなガラス張りのファサードが印象的なセレクトショップ「END.」。ここは、スニーカーヘッズにとっての灯台のような存在だ。

実は、私には成功体験があった。2024年、Dover Street MarketでWTAPS × New Balance 998を手に入れた後、念のために立ち寄ったEND.にも、同じモデルが静かに棚に並んでいたのだ。あの時の記憶が、私の期待を煽る。
足早に店内へ入り、エスカレーターで2階のスニーカーコーナーへと向かう。目に飛び込んできたのは、壁一面に広がるNew Balanceのコレクション。その中に、紛れもなく、探していたオリーブグリーンのシルエットがあった。

「あった…!」

心の中で叫び、すぐにスタッフに声をかける。「このWTAPSの2010、私のサイズはありますか?」と。彼はタブレットを数回タップし、そして少し申し訳なさそうに顔を上げた。「申し訳ない。あなたのサイズはちょうど売り切れてしまったようだ。大きいサイズと小さいサイズしか残っていないんだ」。
マジか。その言葉は、冷たい霧のように私の熱気を奪っていった。ロンドンでも、いや、ロンドンだからこそ、このコラボレーションの注目度は高いのだ。一歩、遅かった。絶望が胸をよぎる。しかし、その時、脳裏にある店の記憶が閃光のように蘇った。
Oasisの聖地、Berwick Streetに佇むFoot Patrolという希望
「そうだ、Foot Patrolがあるじゃないか」。SOHOを散策している時、偶然通りかかったスニーカーショップ。ガスマスクのロゴが印象的な、あの店だ。その時はまだ「もしかしたら買えるかも」という淡い期待しかなく、本気で探す覚悟が決まっていなかったため、サイズを聞かずに通り過ぎていた。
しかし、今は違う。END.でのニアミスが、私の心に火をつけた。「絶対に手に入れる」。もはや迷いはなかった。私はEND.を後にし、夜のSOHOを駆け足でBerwick Streetへと向かった。
最後の砦、Foot Patrol。奇跡のWTAPS New Balanceとの出会い
Berwick Street。ここはかつてOasisのアルバム『(What’s the Story) Morning Glory?』のジャケット写真が撮影された場所として知られる、音楽ファンにとっての聖地だ。その通りに、Foot Patrolは静かに、しかし確かな存在感を放って佇んでいた。

吸い込まれるように店内へ入る。壁に並ぶスニーカーのラインナップに目を走らせる。そして、見つけた。END.で見たのと同じ、あのモデルがまだそこにあった。価格は160ポンド。日本円にして約3万円。SNKRSで買うよりも安い。


今度こそ、と逸る気持ちを抑え、近くにいた店員に尋ねる。「27センチはありますか?」。彼はにこやかに頷き、端末で在庫を確認し始めた。数秒が永遠のように感じられる。「バックヤードにあるみたいだ。取ってくるよ」。
その言葉は、まさに天啓だった。しばらくして、彼はグレーのNew Balanceの箱を手に戻ってきた。箱を開けると、そこには私が追い求めていたWTAPS × New Balance 2010が鎮座していた。「他のサイズも必要なら言ってくれ」と、彼の気遣いが嬉しい。

すぐに試着させてもらう。足を入れた瞬間、いつもの27センチのフィット感が全身に伝わる。間違いない。これだ。私は顔を上げ、彼に告げた。「これをください」。私の即決ぶりに、店員は少し驚いたように笑い、「探していたのかい?見つかって良かったね!」と、まるで自分のことのように喜んでくれた。この短い会話が、この一足の価値をさらに高めてくれた。
クレジットカードで支払いを済ませ、ショップバッグを受け取る。ずっしりとした重みが、達成感を物語っていた。店を出て、冷たいロンドンの空気を吸い込む。最高の買い物だった。足取りも軽く、私はホテルへと向かった。
WTAPS New Balance 抽選の現実と海外でのチャンス
今回の体験で改めて痛感したのは、WTAPS New Balance 抽選の厳しさだ。日本国内では、もはや宝くじに当たるような確率と言っても過言ではない。BOTの存在や、膨大な数のスニーカーヘッズとの競争は熾烈を極める。しかし、諦める必要はない。ロンドンのような都市では、複数の正規取扱店が存在し、在庫が分散している可能性がある。WTAPS New Balance 海外での購入は、抽選に外れた者にとっての、リアルなセカンドチャンスなのだ。
過去の名作:WTAPS New Balance 998の記憶
私がここまでWTAPSとのコラボレーションに執着するのには理由がある。それは2024年に手に入れたWTAPS New Balance 998の存在だ。あの時の感動が忘れられない。ブランドの持つミリタリーテイストと、New Balanceのクラフトマンシップが見事に融合した一足。過去のモデルを知ることで、新作への期待と渇望はさらに増していく。
多様なコラボレーション:WTAPS New Balance 990v6という選択肢
WTAPSとNew Balanceのコラボレーションは多岐にわたる。近年ではWTAPS New Balance 990v6も大きな話題を呼んだ。定番のグレーを基調としながらも、細部にWTAPSらしいディテールが光るモデルだ。Foot Patrolの店内でも、通常ラインの990v6や991v2、さらには話題の1906Lローファーモデルまで、豊富なラインナップが並んでいた。多様なモデルが存在するからこそ、自分だけの一足を見つける楽しみがある。
WTAPS ニューバランス 偽物を避けるために
人気コラボには常に偽物のリスクがつきまとう。特にオンラインの二次流通市場では、精巧な偽物が出回っていることも少なくない。WTAPS ニューバランス 偽物を掴まされないための最も確実な方法は、今回私が訪れたFoot PatrolやEND.、Dover Street Marketのような正規取扱店で購入することだ。海外で購入する際は、公式サイトなどで正規ディーラーのリストを確認することをお勧めする。安心感は、適正な価格と同じくらい重要だ。
今回追い求めた至高の一足:WTAPS New Balance 2010

そして、今回私が手に入れたWTAPS New Balance 2010。落ち着いたオリーブとグレーの配色、メッシュとスエードのコンビネーション、そしてヒールに刻まれた「WTVUA」のブランディング。全てが完璧だ。2010というモデル自体が持つレトロフューチャーなデザインに、WTAPSの世界観が絶妙に溶け込んでいる。これは単なるスニーカーではなく、一つの作品だ。
WTAPS New Balance 抽選 結果がもたらした旅
振り返れば、WTAPS New Balance 抽選 結果で「落選」の二文字を見たことが、この旅の始まりだった。もし日本で簡単に手に入っていたら、私はロンドンの夜道を駆け足でスニーカーショップに向かうことも、親切な店員と喜びを分かち合うこともなかっただろう。デジタルでの敗北が、最高のアナログな体験をもたらしてくれた。そう考えると、落選も悪くなかったのかもしれない。
まとめ:旅の終わりと、新たな一歩を刻むWTAPS New Balance
ホテルに戻り、ベッドの上で改めて箱を開ける。照明の下で輝くスニーカーは、今日の追跡劇のトロフィーだ。この一足には、ロンドンの街の音、店の匂い、店員との会話、そして私の執念が詰まっている。
Photomoのテーマは「歩いて、撮って、書く」。まさにこの一日は、そのテーマを体現していた。自分の足で情報を稼ぎ、失敗を乗り越え、目当てのものを手に入れる。このプロセス全体が、私にとってのコンテンツであり、読者と共有したい「体験」なのだ。
ロンドンでのスニーカー探しは、単なる買い物ではない。それは都市との対話であり、自分自身の運と情熱を試す冒険だ。もしあなたが何か探し求めているものがあるなら、オンラインで完結させず、街へ出てみることをお勧めする。そこには、予期せぬ出会いと、忘れられない物語が待っているはずだから。
Foot Patrol London
公式サイト: https://www.footpatrol.com/
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