ロンドンの朝は、その街が持つ独特の空気感を肌で感じる特別な時間です。セント・パンクラス・ルネッサンス・ホテル（St. Pancras Renaissance Hotel）に滞在中の私は、昨晩のディナーの余韻に浸りながら目覚めました。昨夜はホテル内のメインダイニングBooking Office 1869で、極上のビールと生牡蠣、そしてスマッシュバーガーを堪能しました（その時の熱狂的なディナーの様子はこちらの記事で詳しく紹介しています）。
そして2日目の朝。迷うことなく、朝食も同じくBooking Office 1869でとることに決めました。昨夜のシックでムーディーな雰囲気とは打って変わり、朝の光の中でこの空間がどのような表情を見せるのか。期待を胸に、部屋を出てレストランへと向かいました。
セント・パンクラス駅の喧騒を忘れる、開放的なテラス席へ
レストランの受付で一人であることを告げると、今回は店内の席ではなく、外のテラス席へ案内されました。「外」と言っても屋外ではなく、ホテルのコンシェルジュデスクがある広々とした空間です。ここはかつて駅のチケット売り場（Booking Office）だった場所の名残を感じさせるエリアです。
席に向かう途中、洗練されたバーカウンターの横を通ります。赤レンガのアーチとモダンなデザインが融合したこの景色は、何度見ても溜息が出るほどの美しさです。案内された席に着くと、そこは想像以上に素晴らしい空間でした。
頭上を見上げれば、歴史的な水色の鉄骨フレームに支えられた巨大なガラス天井。そこから自然光がたっぷりと降り注ぎ、空間全体を明るく照らしています。昨夜のレストラン内の落ち着いた雰囲気も素晴らしかったですが、朝食にはこの開放的なテラス席こそが最適解だと確信しました。
振り返ると、ホテルの入口まで続く天窓から朝の光が差し込んでいるのが見えます。セントパンクラス駅という交通の要衝にありながら、ここは時間の流れが緩やかで、実に清々しい。まさに「ロンドンで最高の朝」を予感させるスタートです。
Booking Office 1869 朝食メニュー：私の選択
さて、この素晴らしい空間で何を食べるか。Booking Office 1869のメニューは英国の伝統とモダンなアレンジが効いていて魅力的ですが、私の心は決まっていました。まずは朝の定番、カプチーノ。そして健康を意識してギリシャヨーグルト、メインにはやはり卵料理を。
オーダーを済ませて程なく、カプチーノが運ばれてきました。私はいつもアーモンドミルクに変更してもらうのですが、ここのカプチーノは格別です。
きめ細やかなフォームと、アーモンドミルク特有の香ばしい甘みがコーヒーの苦味と絶妙にマッチしています。大理石のテーブルに置かれた白いカップ、そして背景に見える小さなジャムの瓶たち。このビジュアルだけで、朝の幸福度がぐっと上がります。
続いて、ギリシャヨーグルトとグラノーラが到着。最近は旅先での野菜不足や体調管理も兼ねて、意識的にヨーグルトを食べるようにしています。
濃厚でもったりとしたギリシャヨーグルトに、サクサクのグラノーラ、そしてフレッシュな苺やブラックベリーがたっぷりとトッピングされています。ベリーの酸味とグラノーラの甘みが最高に合っていて、スプーンが止まりません。ロンドンのホテル朝食の中でも、このバランスの良さは特筆すべき点でしょう。
絶品エッグベネディクトの実食レビュー
そして、真打ちの登場です。今回のメインに選んだのはエッグベネディクト。ハムではなく、ほうれん草をトッピングした「エッグ・フロレンティン」のスタイルにしました。
運ばれてきた瞬間、その美しいフォルムに目を奪われました。たっぷりのオランデーズソースがポーチドエッグを包み込み、粗挽きの黒胡椒がアクセントになっています。ほうれん草の鮮やかな緑が食欲をそそります。
ナイフを入れる瞬間は、いつも少し緊張します。ポーチドエッグの仕上がりこそが、そのキッチンの実力を物語るからです。
結果は……完璧でした！ ナイフを入れた途端、鮮やかなオレンジ色の黄身がとろりと溢れ出し、ソースと絡み合います。まさに「SO GOOD」。以前、ソーホーのDean Street Townhouseで食べたエッグベネディクトもソースが絶品でしたが、Booking Office 1869のそれも負けず劣らず最高です。濃厚なソース、卵のコク、ほうれん草の旨味、マフィンの食感が口の中で一体となり、至福の時をもたらしてくれました。
Booking Office 1869 朝食ブログ まとめ：再訪すべき理由
朝からこれほど美味しく、そして心地よい時間を過ごせるなんて、本当にこのホテルを選んで正解でした。Booking Office 1869での朝食体験は、単なる食事以上の価値があります。
- 空間の美しさ：ヴィクトリア朝の建築と自然光が織りなすテラス席は、他では味わえない開放感があります。
- 料理のクオリティ：エッグベネディクトの完成度やカプチーノの味など、細部までこだわりが感じられます。
- アクセスの良さ：ユーロスターの発着駅であるセント・パンクラス駅直結なので、旅行者にとって非常に便利です。
もしあなたがロンドンで美味しいレストランや、雰囲気の良い朝食スポットを探しているなら、ここは間違いなく候補に入れるべきです。
さて、素晴らしいエネルギーチャージが完了しました。今日はこれから、ホテルのすぐ隣にある大英図書館で開催されているビートルズの展示を見に行こうと思います。ロンドンのカルチャーを巡る旅は、まだ始まったばかりです。
Booking Office 1869
住所: St. Pancras Renaissance Hotel London, Euston Rd, London NW1 2AR, UK
公式サイト: Marriott.com
