【東京・麹町】ミシュランの星が輝く創業110年の老舗「うなぎ 秋本」で味わう、伝統と革新の鰻重体験

猛暑の東京、至福の鰻を求めて麹町「秋本」へ

PhotomoのCityNomixです。普段はデジタルマーケティングの喧騒の中に身を置きつつ、国内外の街角でローカルな文化の息吹を掬い上げ、言葉と写真で記録しています。今回は、東京の中心、麹町に佇む東京 うなぎ 老舗 ミシュランの称号を持つ名店「うなぎ 秋本」を訪れた際の、まさに五感を揺さぶる体験をお届けします。

 

季節は6月。しかし、東京の空はすでに真夏のような陽射しを投げかけていました。クライアントとの2時間に及ぶミーティングを終え、オフィスビルを出ると、むわりとした熱気が肌を刺します。「これは…夏バテ対策が必要だな」。そう直感した私の脳裏に浮かんだのは、滋養強壮の代名詞、そう、うなぎです。

 

幸いにも、私がいた半蔵門の隣は麹町。そして麹町と言えば、食通たちの間でその名を知らぬ者はいないであろう「うなぎ 秋本 麹町」。創業110年を超え、ミシュランガイドにも掲載されるほどの老舗の味 うなぎを提供し続けるこの店は、私のランチリストの常に上位に君臨しています。「よし、今日は秋本で決まりだ」。確固たる意志と共に、私はクライアントのオフィスから徒歩約10分の道のりを歩き始めました。

 

歴史を纏う外観と、心落ち着く和の空間

強い日差しを避けながら路地を進むと、やがて風格ある佇まいの建物が見えてきました。「うなぎ 秋本」です。その外観は、一朝一夕では醸し出せない、まさに老舗の風格。暖簾をくぐる前から、期待感が高まります。

 

老舗うなぎ屋「秋本」の風格ある店舗外観
歴史を感じさせる「うなぎの秋本」の外観

 

月曜の午後1時過ぎ。ランチのピークは過ぎたかと思いきや、店内は賑わっていました。「あ、やはり混んでいるか」。1階席は既に満席とのこと。幸いにも、2階の座敷へと案内されました。

 

階段を上がり、通されたのは趣のある和室。畳の香りと障子越しの柔らかな光が、都会の喧騒を忘れさせてくれます。床の間には掛け軸が飾られ、静謐な空気が漂っています。1階はこぢんまりとした庭が見えるカウンター席も魅力的ですが、この2階の座敷もまた、ゆったりと食事と向き合える素晴らしい空間です。

 

和室の床の間に掛け軸が飾られ、障子と畳が見える落ち着いた雰囲気の部屋
2階のお座敷。掛け軸が和の趣を演出しています。

 

「座布団、背中に当ててお使いくださいね」。店員さんの優しい一言と、温かいお茶が、緊張感を和らげ、心を解きほぐしてくれます。これぞ日本の「おもてなし」の心髄。細やかな気遣いが、これから始まる食体験への期待を一層高めます。

 

お品書きに刻まれた歴史と、変わらぬ選択

さて、いよいよお品書きに目を落とします。縦書きで記された品々は、どれも魅力的。しかし、私の心は既に決まっています。「うな重」です。中でも、鰻の量がしっかりと楽しめる「梅」が、今日の私の気分にぴったり。

 

うなぎの秋本のお品書き。縦書きで料理名と値段が記載されている。
うなぎの秋本のお品書き。長年変わらぬ味、変わりゆく価格。

 

「秋本」のうな重は、値段によって鰻の量が変わります。そして「梅」からは、ご飯と鰻が別々の器、二段重ねで提供されるのが特徴。このスタイルが、また良いのです。さらに、ここの赤だしは深みのある味わいで、鰻との相性も抜群なので、迷わず追加しました。「うな重の梅と、赤だしをお願いします」。注文を終え、静かにその時を待ちます。

 

国際色豊かな店内と、待ちわびる時間

ふと隣の席を見ると、外国人の方が日本人の方に連れられて来店されたようです。目が合うと、軽く会釈を交わしました。日本の伝統料理である鰻を、このような老舗で味わうというのは、海外の方にとっても特別な体験なのでしょう。デジタルマーケターとして、また一人の旅人として、こうした異文化交流の瞬間に立ち会えるのは、非常に興味深いものです。

 

「秋本」では注文を受けてから鰻を捌き、焼き上げるため、提供までには多少時間がかかります。しかし、この待ち時間もまた、期待感を高めるスパイス。職人の手際が良いのか、実際の待ち時間はそれほど長く感じませんでした。むしろ、これから出会うであろう至高の味への期待に胸を膨らませる、心地よい時間です。

 

ついにご対面!二段重に秘められた口福の予感

そして、ついにその時がやってきました。「お待たせいたしました」。運ばれてきたのは、漆黒の二段重。うな重「梅」です。目の前に置かれただけで、既に満足感が湧き上がってきます。

 

二段重ねの重箱に入ったうな重。上の段に鰻の蒲焼、下の段にご飯が盛られている。
うな重「梅」の二段重ね。鰻とご飯を別々に楽しめる、こだわりのスタイルです。

 

そっと上段の蓋を開けると、そこには宝石のように艶々と輝く鰻の蒲焼が鎮座しています。香ばしいタレの香りが鼻腔をくすぐり、食欲中枢を激しく刺激します。下段の蓋を開ければ、ふっくらと炊き上げられた白米。完璧な布陣です。

 

うな重、赤だし、漬物のセット
今日のうな重。香ばしいタレとふっくら鰻、赤だしと漬物も添えて。

 

赤だしの椀も開けると、芳醇な味噌の香りが立ち上ります。さあ、食べるぞ…いや、その前に一つ、重要な儀式が残っています。

 

自家製山椒が織りなす、鰻との究極の調和

そう、「秋本」の真髄の一つとも言える、自家製山椒です。テーブルに置かれた小壺から、鮮やかな緑色の山椒を、惜しげもなく鰻の上に振りかけます。この山椒こそが、秋本の鰻を完成させる最後のピースなのです。

 

黒い器に盛られた鰻料理に、自家製の山椒が鮮やかに振りかけられているクローズアップ写真。
自家製山椒の香りが食欲をそそる、ふっくらとした鰻料理。

 

挽きたての山椒は、市販のものとは比較にならないほど風味が豊か。ピリリとした刺激的な辛味と、爽やかな柑橘系の香りが、鰻の濃厚な旨味と甘辛いタレの風味を一層引き立て、複雑で奥深い味わいを生み出します。夏の暑さでややぼんやりしていた感覚が、この山椒の香りで一気に覚醒するようです。

 

至福の一口、そして怒涛のコンビネーション

いよいよ、箸を入れます。鰻の身に軽く触れただけで伝わってくる、その驚くべき柔らかさ。「ホロホロ」という表現がこれほど似合う鰻には、そうそう出会えません。タレの甘さとコク、そして鰻本来の豊かな脂の旨味が口の中で一体となり、至福の味わいが広がります。そして、自家製山椒の鮮烈な風味が、その後味をキリリと引き締めるのです。

 

このタレ、鰻、山椒の三位一体のコンビネーションは、まさに芸術的。一口、また一口と、食欲が無限に掻き立てられます。続いてご飯を口に運べば、タレが適度に染み込んだ米の甘みが、鰻の旨味をさらに増幅させます。これぞ、東京 美味しい うなぎ屋の真骨頂。

 

合間にいただく赤だしがまた素晴らしい。濃厚な鰻の風味を受け止めつつ、その深いコクで口中をリフレッシュさせてくれます。中に入っているつみれも、さっぱりとした味わいで、良いアクセントになっています。そして忘れてはならないのが、お漬物。一つ一つ丁寧に作られたことがわかる、老舗漬物店に並んでいそうな逸品揃いです。塩味が強すぎず、上品な味わいで、これもまた鰻の合間の素晴らしい箸休めとなります。

 

鰻、ご飯、山椒、赤だし、漬物…これらが織りなす味覚のシンフォニーは、食べる者を一時も飽きさせません。まさに、計算され尽くした「美味しさのコンビネーション」と言えるでしょう。

 

名残惜しい終焉と、心温まるおもてなし

夢のような時間はあっという間に過ぎ、気づけばお重は空に。途中で運ばれてくる香ばしいほうじ茶が、鰻の濃厚な味わいを優しく落ち着かせ、食後の余韻を心地よく演出してくれます。「あー、今日も本当に美味しかった」。心からの満足感が、じんわりと身体中に広がります。これで、厳しい東京の夏も乗り切れそうです。

 

しばし食休みした後、レジで会計を済ませます。いつも対応してくださる店員さんが、私の顔を覚えていてくれたようです。「いつもありがとうございます。またお越しくださいませ」。この温かい一言が、私の心に深く響きます。この言葉があるからこそ、「また必ず来よう」と強く思うのです。これぞ、老舗の味 うなぎと共に受け継がれる、おもてなしの心なのでしょう。

 

麹町「うなぎ 秋本」 – 伝統と革新が息づく、東京を代表する鰻の名店

麹町「うなぎ 秋本」は、単に美味しい鰻が食べられる店、というだけではありません。そこには、110年以上の長きにわたり受け継がれてきた伝統の技と、時代に合わせて進化し続ける革新の精神が息づいています。ミシュランの星を獲得したという事実は、その揺るぎない実力の証と言えるでしょう。

 

もしあなたが、東京で本当に美味しい食事を求めているなら、あるいは特別な日のランチやディナーに、記憶に残る体験をしたいと考えているなら、「うなぎ 秋本」は間違いなくその期待に応えてくれるはずです。東京 高級 うなぎの代表格でありながら、温かいおもてなしで迎えてくれるこの名店で、ぜひ至高の鰻重を味わってみてください。特に、ミシュラン うなぎ ランチとして訪れるのもおすすめです。

 

鰻から得たエネルギーを胸に、私は午後のクライアントミーティングへと向かいました。口の中に残る山椒の爽やかな香りが、まるで私にエールを送ってくれているかのようでした。

 

店舗情報

うなぎ 秋本

公式サイト: https://www.unagi-akimoto.com/

Google Map :

Photomo CityNomixの視点

訪問日時: 2025年6月23日(月)13時頃 

天気: 曇り(しかし蒸し暑い) 

混雑状況: ランチタイムを少し過ぎていたが、1階は満席。2階も半分ほど埋まっていた。予約が確実かもしれない。 

費用感: うな重 梅(約5,000円~ 時価による変動あり)、赤だし(数百円)。高級店ではあるが、その価値は十分にある。 

おすすめポイント: 

  • 注文後に捌いて焼き上げる、ふっくらと柔らかい鰻。
  • 秘伝のタレと、風味豊かな自家製山椒の絶妙なハーモニー。
  • 鰻とご飯が別々に提供される「梅」以上のうな重のスタイル。
  • 落ち着いた和の空間と、細やかなおもてなし。
  • 歴史を感じさせる店構えと、麹町というロケーション。

注意点:

  • 人気店のため、特にランチタイムは時間に余裕を持つか、予約を検討すると良いでしょう。
  • 鰻の価格は時価により変動することがあります。

次回の東京訪問の際、あるいは大切な人をもてなす機会があれば、ぜひ「うなぎ 秋本」を訪れてみてください。きっと、忘れられない食体験があなたを待っています。

 

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